TRIANGULATE

名前
書式
説明
オプション
アスキー形式の精度
グリッド値の精度

関連項目
文献

名前

triangulate − 最適なドローネー三角網の作成及びグリッド化を実行する

書式

triangulate infiles [ −Dx|y ] [ −Eempty ] [ −Ggrdfile ] [ −H[i][nrec] ] [ −Ixinc[unit][=|+][/yinc[unit][=|+]] ] [ −Jparameters ] [ −M[i|o][flag] ] [ −Rwest/east/south/north[r] ] [ −V ] [ −Z ] [ −:[i|o] ] [ −b[i|o][s|S|d|D][ncol] ] [ −f[i|o]colinfo ]

説明

triangulate は 1 つ以上のアスキー[又はバイナリ]ファイル(又は標準入力)に 含まれる x,y[,z] を読み、ドローネーの三角網の作成を実行する。これは、可 能な限り正三角形に近い点の結び方を見つけるというものである。図法を指 定 す ると、三角網の計算の前にそれが適用される。デフォルトでは、出力は各三 角形を構成する 3 点の ID 番号の組であり、これらが標準出力に書き出される 。 ID 番号は入力ファイルの点の位置を参照する。オプションとして、複数セ グメントのファイルを作って、 psxy にパイプして三角網を描画することが で きる。 −G −I が設定されると、三角形のつくる平面によって決まる表面に基づ いた格子点を計算する。三角網の計算に用いられる実際のアル ゴ リ ズ ム は Watson [1982] [デフォルト]又は Shewchuck [1996] (インストールされていれ ば)のどちらかになる。この選択は GMT のインストール時に行われる。

infiles

アスキー形式の座標値のデータファイル [又はバイナリ、 −b 参照]。 ファイルを指定しないときは標準入力から読み込む。

オプション

−D

切子面によって表される表面の x- 又は y- 微分をとる ( −G 設 定時のみ有効)。

−E

−G 設定時に空の格子点に割り当てる値を設定する[NaN]。

−G

三角網の計算により( −I, −R により指定される)均等な格子上 に デ ータをグリッド化する。出力グリッドファイル名を付けること。元 の座標で内挿が実行されるので、 三 角 形 が 極 に 近 い と き は triangulate を使う前に全てのデータをローカルな座標系に投影した 方が良い (これは全てのグリッド化ルーチンに当てはまる)。

−H

入力ファイルにヘッダ行がある時に使う。 ヘ ッ ダ 行 の 数 は .gmtdefaults4 ファイルを編集することにより変更できる。このオプ ションが使われた場合、 GMT のデフォルトではヘッダ行は 1 行で あ る。入力データだけにヘッダ行が必要な場合は −Hi を使うこと [デフ ォルトでは入力データにヘッダ行があればそれも出力される]。

−I

x_inc [及び随意で y_inc ] はオプションのグリッド出力の格 子 間 隔である( −G 参照)。分を示すには m を、秒を示すには c を付け ること。

−J

地図の図法を選択する。尺度は UNIT/degree 、1:xxxxx 、 又 は UNIT 単 位 の 幅 (オプションを大文字にする) である。 UNIT は .gmtdefaults4 で設定された MEASURE_UNIT によって cm 、インチ 、 又は m になるが、 c, i, m を scale/width の値に付けることによっ て、コマンドライン上で上書き変更することができる。地図の高さ 、 最 大 の大きさ、最小の大きさを指定するには、それぞれ h, +, - を width に付けること。

詳細は psbasemap の man ページを参照すること。

円筒図法:

−Jclon0/lat0/scale (カッシーニ図法)
−Jj
lon0/scale (ミラー図法)
−Jm
scale (メルカトル図法 - 投影中心はグリニッジ子午線と赤道)
−Jm
lon0/lat0/scale (メルカトル図法 - 中心子午線と標準緯度 を 設 定)
−Joa
lon0/lat0/azimuth/scale (斜めメルカトル図法 - 投影中心と方 位角を設定)
−Job
lon0/lat0/lon1/lat1/scale (斜めメルカトル図法 - 2 点を設定)
−Joc
lon0/lat0/lonp/latp/scale (斜めメルカトル図法 - 中心点と極 を設定)
−Jq
lon0/scale (等距円筒図法 (Plate Carree))
−Jt
lon0/scale (TM - 横メルカトル図法、赤道は y = 0)
−Jt
lon0/lat0/scale (TM - 横メルカトル図法、原点を設定)
−Ju
zone/scale (UTM - ユニバーサル横メルカトル図法)
−Jy
lon0/lats/scale (基本円筒図法)

方位図法:

−Jalon0/lat0/scale (ランベルト正積方位図法)
−Je
lon0/lat0/scale (正距方位図法)
−Jf
lon0/lat0/horizon/scale (心射図法)
−Jg
lon0/lat0/scale (正射図法)
−Js
lon0/lat0/[slat/]scale (一般平射図法)

円錐図法:

−Jblon0/lat0/lat1/lat2/scale (アルベルス正積円錐図法)
−Jd
lon0/lat0/lat1/lat2/scale (正距円錐図法)
−Jl
lon0/lat0/lat1/lat2/scale (ランベルト正角円錐図法)

様々な図法:

−Jhlon0/scale (ハンメル図法)
−Ji
lon0/scale (正弦曲線図法=サンソン図法)
−Jk
[f|s]lon0/scale (エッケルト IV (f) 及び VI (s) 図法)
−Jn
lon0/scale (ロビンソン図法)
−Jr
lon0/scale (ヴィンケル第 3 式図法)
−Jv
lon0/scale (ファン・デア・グリンテン図法)
−Jw
lon0/scale (モルワイデ図法)

非地理的図法:

−Jp[a]scale[/origin][r|z] (極座標 (theta,r))
−Jx
x-scale[d|l|ppow|t|T][/y-scale[d|l|ppow|t|T]] (線形、対数 、 指数スケーリング)

−M

三角網を複数行のセグメントとして出力する。セグメントは flag で始まる行で区切られる[>]。描画するには、 psxy−M オプション を付けること (例参照)。

−R

xmin, xmax, ymin, ymax は対象とする領域を指定する。地理的領 域に対しては、これらの境界は西、東、南、北に対応し、小数値を 含 む度又は [+-]dd:mm[:ss.xxx][W|E|S|N] のフォーマットで指定できる 。東西南北の代わりに地図座標の左下と右上を使うときは r を付ける こ と 。 2 つの略号 −Rg −Rd は全球領域(それぞれ経度 0/360 又は -180/+180 と緯度 -90/+90 )を表す。暦時間座標系に対しては相対 時 間(選択された TIME_EPOCH に対して相対的で、選択された TIME_UNIT を単位とする。 t−JX|x に付けること)又は [date]T[clock] 形式 の絶対時刻(T−JX|x に付けること)のどちらかを与えることができ る。少なくとも dateclock のどちらかが存在していなければなら ない。 T は常に必要である。 date の文字列は [-]yyyy[-mm[-dd]] ( グレゴリオ暦)又は yyyy[-Www[-d]] (ISO 週暦)の形式でなければなら ない。 clock の文字列は hh:mm:ss[.xxx] の形式でなければならない 。区切り文字を利用する場合にはその型と位置が指定どおりでなけ れ ばならない(ただし入出力と描画フォーマットは変更可能である)。

−V

冗長モードを選択する。標準エラー出力に経過報告を送る [デフ ォルトでは「黙って」実行する]。

−Z

バイナリデータファイルを 2 列にするか 3 列にするかを制御 す る[2]。 −b が設定されていないときは無視される。

−:

入出力の(経度、緯度)と(緯度、経度)を入れ替える [デフォルト は(経度、緯度)]。 i を付けると入力のみが、 o を付けると出力のみ が入れ替わる [デフォルトでは両方入れ替わる]。

−bi

バイナリ入力を選択する。単精度に対しては s を付けること [ デフォルトは d (倍精度)]。大文字の S (又は D) にするとバイト ス ワ ップを行う。随意で、バイナリファイルの列数がこのプログラムで 必要な列数を越えるときは、バイナリファイルの列数 ncol を付け る こと [デフォルトは 2 ]。

−bo

バイナリ出力を選択する。単精度に対しては s を付けること [ デフォルトは d (倍精度)]。大文字の S (又は D) にするとバイト ス ワ ップを行う。随意で、バイナリ出力ファイルの必要な列数 ncol を 付けること [デフォルトは入力と同じ]。 ID はバイナリ 4 バイト の 3 つの整数として記録される。 −bo−M が選択されているときは無 視される。

−f

入出力列の特殊フォーマットを使う(時間又は地 理 デ ー タ) 。 i(nput) 又は o(utput) を指定すること [デフォルトでは入力と出力 の両方]。コンマ区切りで 1 列以上(又は列の範囲)を与えること。 各 列 又 は 列 の範囲の項目に対して T (絶対暦時刻)、 t (選択された TIME_EPOCH に対する相対時間)、 x (経度)、 y (緯度)、 f ( 小 数) の いずれかを付けること。 −f[i|o]g−f[i|o]0x,1y (地理座標)の 省略形である。

アスキー形式の精度

数値データのアスキー出力形式は .gmtdefaults4 ファイルのパラメータによっ て 決まる。緯度経度は OUTPUT_DEGREE_FORMAT に従ってフォーマットされ、一 方、他の値は D_FORMAT に従ってフォーマットされる。フォーマットの結果 と し て出力の精度が落ちて、その先の処理に影響する可能性があることに注意す ること。十分な精度で出力されていないと思ったら、バイナリ出力に変更する( も し使えるなら −bo とする)か、 D_FORMAT の設定を用いてより多くの桁数を 指定すること。

グリッド値の精度

入力データの精度に関わらず、グリッドファイルをGMT のプログラムは 4 バイ ト 浮動小数点配列として内部に値を持っている。これはメモリの節約のためで あり、更には全ての実数は 4 バイト浮動小数点値を用いて格納することが可能 だからである。より高精度のデータ(すなわち倍精度値)は一度 GMT がグリッド 処理をして新しいグリッドを出力すると精度を失うだろう。データ処理の時 に 精 度の損失を制限するにはデータを処理する前に規格化することを常に考慮す べきである。

ファイル samples.xyz の点を三角網化し、三角形の情報をバイナリファイルに 収録し、与えられた領域と間隔のグリッドを作成する。

triangulate samples.xyz −bo −R0/30/0/30 −I2 −Gsurf.grd > samples.ijk

同じファイルを用いて、最適なドローネーの三角網を幅 15 cm のメルカトル図 に描画する。

triangulate samples.xyz −M −R-100/-90/30/34 −JM15c | psxy −M −R-100/-90/30/34 −JM15c −W0.5p −B1 > network.ps

関連項目

GMT(l), pscontour(l)

文献

Watson, D. F., 1982, Acord: Automatic contouring of raw data, Comp. & Geosci., 8, 97−101.
Shewchuk, J. R., 1996, Triangle: Engineering a 2D Quality Mesh Generator and Delaunay Triangulator, First Workshop on Applied Computational Geometry (Philadelphia, PA), 124-133, ACM, May 1996.
www.cs.cmu.edu/~quake/triangle.html