PSVELO

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psvelo − 地図上に速度ベクトル、十字、扇形を描画する

書式

psvelo files −Jparameters −Rwest/east/south/north[r] [ −B[p|s]parameters ] [ −Dsigma_scale ] [ −Fcolor ] [ −Ecolor ] [ −Gfill ] [ −H[i][nrec] ] [ −K ] [ −L ] [ −N ] [ −O ] [ −P ] [ −Ssymbol/scale/conf/font_size ] [ −U[/dx/dy/][label] ] [ −V ] [ −Wpen ] [ −X[a|c|r][x-shift[u]] ] [ −Y[a|c|r][y-shift[u]] ] [ −:[i|o] ] [ −ccopies ]

説明

psvelo はデータ値を files [又は標準入力] から読み込み速度を表す矢印を地 図 上 に 描く PostScript コードを作る。 -S を除いて大部分のオプションは psxy と同じである。 PostScript コードは標準出力に書き出される。以前のバ ー ジョン (psvelomeca) は現在廃止されている。 psvelopsmeca に置き換 えられた。

引き数

files 1 つ以上のファイル名の一覧。ファイルが与えられないときは、 psvelo は標準入力から読み込む。

−J

地図の図法を選択する。尺度は UNIT/degree 、1:xxxxx 、又は UNIT 単位の幅 (オプションを大文字にする) で あ る 。 UNIT は .gmtdefaults4 で設定された MEASURE_UNIT によって cm 、インチ、 又は m になるが、 c, i, m を scale/width の値に付けることによっ て 、コマンドライン上で上書き変更することができる。地図の高さ、 最大の大きさ、最小の大きさを指定するには、それぞれ h, +, - を width に付けること。

詳細は psbasemap の man ページを参照すること。

円筒図法:

−Jclon0/lat0/scale (カッシーニ図法)
−Jj
lon0/scale (ミラー図法)
−Jm
scale (メルカトル図法 - 投影中心はグリニッジ子午線と赤道)
−Jm
lon0/lat0/scale ( メルカトル図法 - 中心子午線と標準緯度を設 定)
−Joa
lon0/lat0/azimuth/scale (斜めメルカトル図法 - 投影中心と 方 位角を設定)
−Job
lon0/lat0/lon1/lat1/scale (斜めメルカトル図法 - 2 点を設定)
−Joc
lon0/lat0/lonp/latp/scale (斜めメルカトル図法 - 中心点と 極 を設定)
−Jq
lon0/scale (等距円筒図法 (Plate Carree))
−Jt
lon0/scale (TM - 横メルカトル図法、赤道は y = 0)
−Jt
lon0/lat0/scale (TM - 横メルカトル図法、原点を設定)
−Ju
zone/scale (UTM - ユニバーサル横メルカトル図法)
−Jy
lon0/lats/scale (基本円筒図法)

方位図法:

−Jalon0/lat0/scale (ランベルト正積方位図法)
−Je
lon0/lat0/scale (正距方位図法)
−Jf
lon0/lat0/horizon/scale (心射図法)
−Jg
lon0/lat0/scale (正射図法)
−Js
lon0/lat0/[slat/]scale (一般平射図法)

円錐図法:

−Jblon0/lat0/lat1/lat2/scale (アルベルス正積円錐図法)
−Jd
lon0/lat0/lat1/lat2/scale (正距円錐図法)
−Jl
lon0/lat0/lat1/lat2/scale (ランベルト正角円錐図法)

様々な図法:

−Jhlon0/scale (ハンメル図法)
−Ji
lon0/scale (正弦曲線図法=サンソン図法)
−Jk
[f|s]lon0/scale (エッケルト IV (f) 及び VI (s) 図法)
−Jn
lon0/scale (ロビンソン図法)
−Jr
lon0/scale (ヴィンケル第 3 式図法)
−Jv
lon0/scale (ファン・デア・グリンテン図法)
−Jw
lon0/scale (モルワイデ図法)

非地理的図法:

−Jp[a]scale[/origin][r|z] (極座標 (theta,r))
−Jx
x-scale[d|l|ppow|t|T][/y-scale[d|l|ppow|t|T]] (線形、対数、 指数スケーリング)

−R

west, east, south, 及び north は対象とする領域を指定する 。 小数値を含む度又は [+-]dd:mm[:ss.xxx][W|E|S|N] のフォーマットで 指定できる。東西南北の代わりに地図座標の左下と右上を使うとき は r を 付 けること。 2 つの略号 −Rg −Rd は全球領域(それぞれ経度 0/360 又は -180/+180 と緯度 -90/+90 )を表す。

−S はデータファイルの列の意味と描画する図を選択する。

−Sevelscale/confidence/fontsize

(N,E) 方式の速度楕円。 Velscale は速度を表す矢印のスケーリン グ を 設定する。このスケーリングは( c, i, m, 又は p が付け加えられ ない限り)インチ単位である。 Confidence は楕円に対する 2 次元 の 信 頼 限界を設定する。例えば 95% 信頼楕円なら 0.95 とすること。 Fontsize は文字のサイズをポイント単位で設定する。楕円は −G オプ ションで指定されたカラー又はグレースケールで塗りつぶされる[デフ ォルトは透明]。矢印と楕円の円周は −W オプションで指定されたペン 属性で描かれる。パラメータは以下の列にあると想定される。

1,2

観測点の経度、緯度( −: オプションで順番が交換される)

3,4

東方向、北方向の速度( −: オプションで順番が交換される)

5,6

東方向、北方向の速度の不確実度 (1-sigma) ( −: オプションで 順番が交換される)

7

東方向成分と北方向成分の相関

8

観測点名(オプション)。

−Snbarscale

非等方性を示す棒。 Barscale は棒のスケーリングを設定する。こ の スケーリングは( c, i, m, 又は p が付け加えられない限り)インチ単 位である。パラメータは以下の列にあると想定される。

1,2

観測点の経度、緯度( −: オプションで順番が交換される)

3,4

非等方ベクトルの東成分、北成分( −: オプションで順番が交 換 される)

−Srvelscale/confidence/fontsize

回 転した方式での速度楕円。 Velscale は速度を表す矢印のスケーリ ングを設定する。このスケーリングは( c, i, m, 又は p が付け加 え ら れない限り)インチ単位である。 Confidence は楕円に対する 2 次 元の信頼限界を設定する。例えば 95% 信頼楕円なら 0.95 とすること 。 Fontsize は文字のサイズをポイント単位で設定する。楕円は −G オプションで指定されたカラー又はグレースケールで塗りつぶされる[ デフォルトは透明]。矢印と楕円の円周は −W オプションで指定された ペン属性で描かれる。パラメータは以下の列にあると想定される。

1,2

観測点の経度、緯度( −: オプションで順番が交換される)

3,4

東方向、北方向の速度( −: オプションで順番が交換される)

5,6

長軸、短軸

7

水平軸から楕円の長軸までの反時計回りの度単位の角度

8

観測点名(オプション)。

−Swwedge_scale/wedge_mag

回転を表す扇形。 Wedge_scale は扇形の大きさを( c, i, m, 又は p が 付 け加えられない限り)インチ単位で設定する。描画する前に値に Wedge_mag が掛けられる。例えば、 Wedge_mag を 1.e7 に設定すると 100 ナノラジアン/年 のオーダーの回転に対してうまくいく。扇形を 塗るカラー又はグレースケールを設定するには −G を、不確実度を 塗 る カラー又はグレースケールを設定するには −E を設定すること。パ ラメータは以下の列にあると想定される。

1,2

観測点の経度、緯度( −: オプションで順番が交換される)

3

ラジアン単位の回転

4

ラジアン単位の回転不確実度

−Sxcross_scale

は歪十字を与える。 Cross_scale は十字の大きさを( c, i, m, 又 は p が付け加えられない限り)インチ単位で設定する。パラメータは以下 の列にあると想定される。

1,2

観測点の経度、緯度( −: オプションで順番が交換される)

3

eps1, 引張を正としたときの歪テンソルの最も引張的な固有値

4

eps2, 引張を正としたときの歪テンソルの最も圧縮的な固有値

5

eps2 の北から時計回りに計った度単位の方位

オプション

オプションフラグとそれに付属する引き数の間にスペースを入れないこと。

−A

Arrow_width/Head_length/Head_width インチ単位の矢印の 大 き さ[デフォルトは 0.03/0.12/0.09 ]。

−B

地 図 の 枠 の 目 盛とケバの間隔を設定する。全ての詳細は psbasemap の man ページを参照すること。

−C

発震機構から入力ファイルの最後の 2 列に指定された経度、緯度 までのオフセット。

−D

Sigma_scale は速度( −Se−Sr )及び回転( −Sw )の不確実度を スケールし直すのに使うことができる。 confidence 変数と組み合 わ せることができる。

−Ffill

枠や目盛に使われるカラー又はグレースケールを設定する[デ フォルトは 0/0/0 (黒)]。

−Efill

不確実度を表す扇形( −Sw )や速度誤差楕円( −Se 又は −Sr ) に 使われるカラー又はグレースケールを設定する [ −E が指定されな いときは、不確実度の領域は透明になる]。

−Gfill

楕円、扇形、発震機構の塗りを選択する。慣例により、発 震 機 構のビーチボールの圧縮象限が塗られる。グレースケール (0−255) 又はカラー (r/g/b) を設定すること [デフォルトは 0/0/0 ]。随意で 、 −Gpicon_size/pattern を指定することができる。ここで pattern は画像パターンの番号 (1-90) 又はアイコンフォーマットファイル の 名前を与える。 icon_size は単位サイズをインチ単位で設定する。白 と黒のピクセルを反転するには、 −Gp の代わりに −GP を選択する こ と 。個々のパターンに関する情報については pspatterns を参照する こと。

−H

入力ファイルにヘッダ行がある時に使う。 ヘ ッ ダ 行 の 数 は .gmtdefaults4 ファイルを編集することにより変更できる。このオプ ションが使われた場合、 GMT のデフォルトではヘッダ行は 1 行で あ る。入力データだけにヘッダ行が必要な場合は −Hi を使うこと [デフ ォルトでは入力データにヘッダ行があればそれも出力される]。

−K

さらに PostScript コードが後に続くときに使用する [デフォ ル トでは描画システムを終了する]。

−L

線を引く。楕円や断層面には現在のペンを用いて輪郭が引かれる( −W 参照)。

−N

−R により指定された枠からはみ出す記号をスキップしない [デフ ォルトでは枠の内側の記号だけを描画する]。

−O

上書き描画モードを選択する [デフォルトでは新しい描画システ ムに初期化する]。

−P

縦置き描画モードを選択する [ GMT のデフォルトは横置きである 。これを変更するには gmtdefaults を参照すること]。

−U

図に Unix システムのタイムスタンプを入れる。図の左下隅に対 するスタンプの左下隅の相対的な位置を決めることができる。随意 で ラ ベ ル又は c (コマンドの文字列を入れる)を付けることができる。 GMT のパラメータ UNIX_TIMEUNIX_TIME_POS は外見に影響を及 ぼ す。詳細は gmtdefaults の man ページを参照すること。

−V

冗長モードを選択する。標準エラー出力に経過報告を送る[デフォ ルトでは「黙って」実行する]。

−W

速度を表す矢印、楕円の円周、断層面の端を描くペン属性を設 定 す る [デフォルトは width = 1, color = 0/0/0, texture = solid ] 。

−X −Y

図の原点を現在の原点に対して (x-shift,y-shift) だけ動 か す 。随意で長さの単位 (c, i, m, p) を付けることができる。値の前 に a を付けると描画後に原点を元の位置に戻し、値の前に r [デフォ ルト]を付けると現在の原点を新しい位置として再設定する。 −O を使 うとデフォルトの (x-shift,y-shift) が (0,0) になり、そうでな い ときは (r1i, r1i) 又は (r2.5c, r2.5c) になる。代わりに、 c は現 在のページサイズに基づくページの中心を使って図を中央の座 標 (x 又は y) に動かす。

−:

入出力の(経度、緯度)と(緯度、経度)を入れ替える[デフォルト は(経度、緯度)]。 i を付けると入力のみが、 o を付けると出力のみ が入れ替わる[デフォルトでは両方入れ替わる]。

−c

図のコピー枚数を指定する[デフォルトは 1 ]。

下は赤い円周の緑の楕円を持つ大きな赤い矢印を作る。 39% 信頼スケーリング が東西 Esig 南北 Nsig の大きさの長方形の内側に一致する楕円を与えるこ と に注意。

psvelo << END −H2 −R-10/10/-10/10 −W0.25p,red −Ggreen −L −Se0.2/0.39/18 −B1g1 −Jx0.4/0.4 −A0.1/0.3/0.3 −P −V >! test.ps
Long. Lat. Evel Nvel Esig Nsig CorEN SITE
(deg) (deg) (mm/yr) (mm/yr)
0. -8. 0.0 0.0 4.0 6.0 0.500 4x6
-8. 5. 3.0 3.0 0.0 0.0 0.500 3x3
0. 0. 4.0 6.0 4.0 6.0 0.500
-5. -5. 6.0 4.0 6.0 4.0 0.500 6x4
5. 0. -6.0 4.0 6.0 4.0 -0.500 -6x4
0. -5. 6.0 -4.0 6.0 4.0 -0.500 6x-4
END

この例ではカリフォルニア州の Western Transverse Ranges における回転の残 差率を描く。扇形を暗灰色にし、 2-sigma の不確実度を表す扇形を明灰色にす る。

psvelo <<END −Sw0.4/1.e7 −W0.75p −Gdarkgray −Elightgray −H1 −D2 −Jm2.2 −R240./243./32.5/34.75 −Bf10ma60m/WeSn −P >! test.ps
lon lat spin(rad/yr) spin_sigma (rad/yr)
241.4806 34.2073 5.65E-08 1.17E-08
241.6024 34.4468 -4.85E-08 1.85E-08
241.0952 34.4079 4.46E-09 3.07E-08
241.2542 34.2581 1.28E-07 1.59E-08
242.0593 34.0773 -6.62E-08 1.74E-08
241.0553 34.5369 -2.38E-07 4.27E-08
241.1993 33.1894 -2.99E-10 7.64E-09
241.1084 34.2565 2.17E-08 3.53E-08
END

関連事項

GMT(l), psbasemap(l), psxy(l)

文献

Bomford, G., Geodesy, 4th ed., Oxford University Press, 1980.

著者

Kurt Feigl
CNRS UMR 5562
Toulouse, France
(Kurt.Feigl@.cnes.fr)
Genevieve Patau
CNRS UMR 7580
Seismology Dept.
Institut de Physique du Globe de Paris
(patau@ipgp.jussieu.fr)