名前
img2mercgrd - img の領域を抽出し、メルカトルを保ち、グリッ
ドとして保存します
概要
img2mercgrd imgfile -Ggrdfile -Rwest/east/south/north
-Ttype [ -Nnavg ] [ -Sscale ] [ -V ] [ -mminutes ] [
-xmaxlon ] [ -yminlat/maxlat ]
記述
img2mercgrd は img フォーマットファイルを読んでグリッドフ
ァイルを作ります。 img ファイルの球座標メルカトル投影が保
たれるので、ユーザが設定した領域 -R は若干変更されます; 変
更された領域はピクセルの端に対応します[または navg ピクセ
ルのグループpixels]。グリッドファイルのヘッダは、ユーザの
デフォルトの単位で、 -Jm1 および調整された -R において x
および y 軸の長さが画像の西および南端からの距離を表すよう
に設定されます。 gmtdefaults ELLIPSOID = Sphere と設定する
ことによって、ユーザは調整された -R に合うように上書きプロ
ットすることができます。下の用例を参照してください。調整さ
れた -R はグリッドヘッダの注意にも書かれるので、後で見つけ
ることができます。 -Ttype によりすべてのデータまたは拘束さ
れたピクセル上だけのデータを選ぶことができ、拘束位置を示す
1 と 0 からなるグリッドを作るのに用いることができます。出力
グリッドファイルはピクセル登録されます; これは img ファイル
から受け継がれたためです。
imgfile
Sandwell and Smith による衛星高度データから推定され
た海上重力や海底地形のような img フォーマットファイ
ル。ユーザが環境変数 GMT_IMGDIR を設定したときは、
img2mercgrd は imgfile を $GMT_IMGDIR から見つけよ
うとします; そうでないときは直接 imgfile を開こうと
します。
-G grdfile は出力グリッドファイルの名前です。
-R west, east, south, and north は興味のある領域を特
定します。度と分で境界を特定するには、 dd:mm のフォ
ーマットを使ってください。
-T type は拘束情報のエンコーディングを扱います。 type
= 0 は img ファイルにそのような情報がエンコードされ
ていないことを示し(重力データの1995年以前のバージョ
ンに用います)すべてのデータを出力します。 type > 0
は拘束情報がエンコードされており(1995年以降(現在)の
バージョンの img ファイル)以下のようにしてグリッド
ファイルを作ることができます: -T1 はすべての地点の
データを出力し、 -T2 は拘束された地点においてはデー
タの値、内挿された地点においては NaN を出力します;
-T3 は拘束された地点においては 1 、内挿された地点に
おいては 0 を出力します。
オプション
-N 入力 img ピクセルの値を navg × navg の正方形領域で
平均し、各正方形に対する1つの出力ピクセルを作ります。
-T3 とともに用いると、 0 と 1 の間の拘束情報の平均
を出力します。 -T2 とともに用いると、拘束情報の平均
が > 0.5 かどうかによってデータの平均値または NaN
を出力します。 navg は img ファイルをピクセル単位で
偶数に分割しなければなりません[デフォルトは 1 で平
均化を行いません]。
-S img ファイルの値に scale を掛けてからグリッドファイ
ルへ出力します[デフォルトは 1.0]。( img topo ファイ
ルのデータの単位は(補正された)メートルです; 重力ファ
イルでは mGal*10 です; 鉛直線偏差ファイルではマイク
ロラジアン*10、鉛直重力勾配ファイルでは Eotvos*10
です。)
-V 冗長モードを選択します。標準エラー出力に経過報告を
送ります[デフォルトでは"静かに"走ります]。特にここ
では推奨します。どのようにして座標系が調整されるの
かを見るのに役立つからです。
-m minutes に入力 img のピクセルの幅を経度の分単位で示
します[デフォルトは 2.0]。
-x maxlon に入力 img ファイルの最大経度幅を示します。
1995以降のバージョンでは maxlon = 360.0 ですが、そ
れ以前のファイルの中には maxlon = 390.0 のものがあ
ります[デフォルトは 360.0]。
-y minlat/maxlat に入力 img ファイルの最大緯度幅を示し
ます。現在までのすべてのバージョンで -72.006/72.006
です[デフォルトは -72.006/72.006]。
用例
領域 -R-40/40/-70/-30 のデータを world_grav.img.7.2 から抽
出します。
img2mercgrd world_grav.img.7.2 -Gmerc_grav.grd
-R-40/40/-70/-30 -T1 -V
注意: -V オプションにより範囲が
-R-40/40/-70.0004681551/-29.9945810754 に調整されたことがわ
かります。また grdinfo を用いるとグリッドファイルヘッダが
-R0/80/0/67.9666667 であることがわかります。これは
-R-40/40/-70.0004681551/-29.9945810754 と -Jm1 を用いた球座
標メルカトル投影から得られる x,y の範囲です。ここで、
ship.lonlatgrav を用いて merc_grav.grd をサンプルするとしま
す:
gmtset ELLIPSOID Sphere
mapproject -R-40/40/-70.0004681551/-29.9945810754 -Jm1
ship.lonlatgrav | grdtrack -Gmerc_grav.grd | mapproject
-R-40/40/-70.0004681551/-29.9945810754 -Jm1 -I > ship.lon
latgravsat
このような応用においては上のようなデータの投影および逆投影
を用いることが推奨されます。なぜならこのとき内挿のステップ
がたった1回になるからです( grdtrack で)。最初にグリッドファ
イルを経度、緯度に変換してからサンプルするした場合、内挿の
ステップが2回になります(変換とサンプリングで)。
上のグリッドから経度、緯度グリッドを作ります。
grdproject merc_grav.grd
-R-40/40/-70.0004681551/-29.9945810754 -Jm1 -I -F -D2m
-Ggrav.grd
2つの座標系の -R がうまく並ばないためにこれが簡単でない場
合があります。このようなときには次のようにします(実際、常
に用いたほうが良いかもしれません)。
grd2xyz merc_grav.grd | mapproject
-R-40/40/-70.0004681551/-29.994581075 -Jm1 -I | surface
-R-40/40/-70/70 -I2m -Ggrav.grd
上の領域のメルカトル図を作るとして、 GMT のデフォルトの
MEASURE_UNIT がインチだったとしましょう。すると上の
merc_grav.grd ファイルは -Jm1 で投影されているので 80 イン
チの幅になります。このグリッドに適用されるどのプログラム上
でも(例、 grdcontour, grdimage, grdview )、幅 8 インチの地
図を -Jx0.1 を用いて作ることができ、経度、緯度を用いるオー
バレイ(例、 psxy, pscoast )に対しても、上の調整された -R
および -Jm0.1 を用いて2つの座標系をあわせることができます。
しかし、これよりスマートなこともできます。入力 img ファイル
のピクセル幅は 2.0 分であることに気づけば( grdinfo
merc_grav.grd により nx と ny を確かめてもよい)、
merc_grav.grd は img ファイルの解像度を最大限に使っていて
2400 × 2039 ピクセルを持ち、 8 インチ幅にするとこれは 300
ピクセル毎インチであることがわかります。こんなに多くは必要
なく 100 ピクセル毎インチで十分だとすれば、データを 3 × 3
の正方形で平均すれば良いことになります(もしコンター図を作ろ
うとするなら滑らかにするためにもっと多くのデータ(例えば 6
× 6)がおそらく必要です)。 2039 は 3 で割り切れないので今度
は違う調整が -R になされます:
img2mercgrd world_grav.img.7.2 -Gmerc_grav_2.grd
-R-40/40/-70/-30 -T1 -N3 -V
今度は調整された領域は
-R-40/40/-70.023256525/-29.9368261101 に、出力は 800 × 601
ピクセルになり、都合の良いサイズになっています。これを用い
て人工陰影ファイルを grdgradient で作ります:
grdgradient merc_grav_2.grd -Gillum.grd -A0/270 -Ne0.6
もし cpt ファイル "grav.cpt" があればこのようなカラー陰影つ
き地図を作ることができます:
grdimage merc_grav_2.grd -Iillum.grd -Cgrav.cpt -Jx0.1 -K
> map.ps
psbasemap -R-40/40/-70.023256525/-29.9368261101 -Jm0.1
-Ba10 -O >> map.ps
img ファイルから経度/緯度座標で拘束データの値だけ欲しいとし
ましょう。このときは img2mercgrd を -T2 オプションで実行し、
grd2xyz を用いて値を落とし、 grep -v NaN にパイプして NaN
を除去し、 mapproject にパイプして上のように逆投影します。
関連事項
gmt(l), grdproject(l), mapproject(l)
15 Oct 2001 IMG2MERCGRD(l)
Man(1) output converted with
man2html