NEARNEIGHBOR

名前
書式
説明
オプション
グリッド値の精度

関連項目

名前

nearneighbor − "最近接" グリッド化アルゴリズム

書式

nearneighbor [ xyzfile(s) ] −Gout_grdfile −Ixinc[unit][=|+][/yinc[unit][=|+]] −Nsectors[/min_sectors] −Rwest/east/south/north[r] −Ssearch_radius[m|c|k|K] [ −Eempty ] [ −F ] [ −H[i][nrec] ] [ −Lflag ] [ −V ] [ −W ] [ −:[i|o] ] [ −bi[s|S|d|D][ncol] ] [ −fcolinfo ]

説明

nearneighbor は任意の位置の (x,y,z[,w]) の 3 [ 4 ]つの値を標準入力[また は xyzfile(s) ]から読み、最近接アルゴリズムを用いて、ある半径の内側に 1 つ 以上の点を持つような格子点について、それぞれの平均値を求める。平均値 は、探索半径の内側の各セクタの最近接点の加重平均として計算される。用 い ら れる重み関数は w(r) = 1 / (1 + d ^ 2) で、 d = 3 * r / search_radius であり r は格子点からの距離である。この重みは[与えられれば]観測点の重み により変更される。

xyzfile(s)

(x,y,z[,w]) のデータ値を持つ 3 [又は 4 、 −W 参照]列のアスキー ファイル [又はバイナリ、 −b 参照]。ファイルを指定しないときは、 nearneighbor は標準入力から読み込む。

−G

出力されるグリッドファイルの名前を与える。

−I

x_inc [及び随意で y_inc ] は格子間隔である。分を示すには m を、秒を示すには c を付けること。もし代わりに e, k, i, n のいず れ かの単位が付け加えられれば、それぞれ刻み幅はメートル、キロメ ートル、マイル、海里のいずれかと見なされ、その領域の中央の緯 度 における経度の等価な度単位に変換される(変換方法は ELLIPSOID に 依存する)。もし /y_inc が与えられて 0 に設定されて い れ ば 、 /x_inc と同じ値に再設定され、そうでない場合は緯度の度に変換され る。もし = が付加されていたら、対応する最大の x (東) 又は y ( 北) が与えられた刻み幅にちょうど一致するように微調整される [デ フォルトでは刻み幅は与えられた領域に合うように微調整される]。最 後に、刻み幅を与える代わりに、与えられた刻み幅に + を付加するこ とにより、必要な格子点の数を指定することができる。刻み幅は格 子 点 の数と領域から再計算される。再計算される刻み幅は格子保存グリ ッドか画素保存グリッドのどちらを選ぶかに依存する。詳細は付録 B を参照すること。

−N

各格子点を中心とする円が sectors 個のセクタに分割される。与 えられた格子点に対する少なくとも min_sectors 個のセクタに、最低 1 つの値が存在するときにだけ平均値が計算される。この条件を満た さない格子点には NaN 値が割り当てられる(ただし −E を 参 照) 。 min_sectors を省略したときは、各セクタの内部に最低 1 つの値が存 在する必要がある [デフォルトは四分円 、 す な わ ち sectors = min_sectors = 4 ]。円の中の全ての値でなく、各セクタの最近接点だ けが平均化に反映されることに注意すること。

−R

xmin, xmax, ymin, ymax は対象とする領域を指定する。地理的領 域 に対しては、これらの境界は西、東、南、北に対応し、小数値を含 む度又は [+-]dd:mm[:ss.xxx][W|E|S|N] のフォーマットで指定できる 。東西南北の代わりに地図座標の左下と右上を使うときは r を付ける こと。 2 つの略号 −Rg −Rd は全球領域(それぞれ経度 0/360 又 は -180/+180 と緯度 -90/+90 )を表す。暦時間座標系に対しては相対時 間(選択された TIME_EPOCH に対して相対的で、選択された TIME_UNIT を単位とする。 t−JX|x に付けること)又は [date]T[clock] 形式 の絶対時刻(T−JX|x に付けること)のどちらかを与えることができ る。少なくとも dateclock のどちらかが存在していなければなら ない。 T は常に必要である。 date の文字列は [-]yyyy[-mm[-dd]] ( グレゴリオ暦)又は yyyy[-Www[-d]] (ISO 週暦)の形式でなければなら ない。 clock の文字列は hh:mm:ss[.xxx] の形式でなければならない 。 区切り文字を利用する場合にはその型と位置が指定どおりでなけれ ばならない(ただし入出力と描画フォーマットは変更可能である)。

−S

格子間隔と同じ単位で search_radius を設定する。分を示すには m を、秒を示すには c を付けること。 km を示すには k を付けるこ と ( −R 及び −I が度単位であり、距離計算に高速な平面地球近似 を 使うことを示唆する)。より精確に、地球大円に沿って距離を計算した いときは大文字の K を付けること。しかし、現在の ELLIPSOID が Sphere (球)に設定されているときは球の大円が計算に使われる。

オプション

−E

空の格子点に割り当てる値を設定する[NaN]。

−F

ブロックの中心を画素保存にする[デフォルト:格子保存]

−H

入 力 フ ァ イルにヘッダ行がある時に使う。ヘッダ行の数は .gmtdefaults4 ファイルを編集することにより変更できる。このオ プ シ ョンが使われた場合、 GMT のデフォルトではヘッダ行は 1 行であ る。入力データだけにヘッダ行が必要な場合は −Hi を使うこと [デフ ォルトでは入力データにヘッダ行があればそれも出力される]。バイナ リデータには使わないこと。

−L

境界条件を flag で指定する。これを x 又は y 又は xy とす る と −R で設定される x 又は y 又はその両方の範囲が周期的であるこ とを示す。あるいは flagg とすると地理的な境界条件であること を示す ( x と y は経度と緯度) [デフォルトでは境界条件無し]。

−V

冗長モードを選択する。標準エラー出力に経過報告を送る [デフ ォルトでは「黙って」実行する]。

−:

入出力の(経度、緯度)と(緯度、経度)を入れ替える [デフォル ト は(経度、緯度)]。 i を付けると入力のみが、 o を付けると出力のみ が入れ替わる [デフォルトでは両方入れ替わる]。

−W

入力データの 4 列目に観測点の重みがあることを示す。これらに 幾 何学的な重み付けを加えて、実際の計算に使われる重みが決められ る。

−bi

バイナリ入力を選択する。単精度に対しては s を付けること [ デ フォルトは d (倍精度)]。大文字の S (又は D) にするとバイトス ワップを行う。随意で、バイナリファイルの列数がこのプログラム で 必 要な列数を越えるときは、バイナリファイルの列数 ncol を付ける こと [デフォルトは 3 ( −W 設定時は 4 ) 列]。

−f

入出力列の特殊フォーマットを使う(時間又は地 理 デ ー タ) 。 i(nput) 又は o(utput) を指定すること [デフォルトでは入力と出力 の両方]。コンマ区切りで 1 列以上(又は列の範囲)を与えること。 各 列 又 は 列 の範囲の項目に対して T (絶対暦時刻)、 t (選択された TIME_EPOCH に対する相対時間)、 x (経度)、 y (緯度)、 f ( 小 数) の いずれかを付けること。 −f[i|o]g−f[i|o]0x,1y (地理座標)の 省略形である。

グリッド値の精度

入力データの精度に関わらず、グリッドファイルを GMT のプログラムは 4 バ イ ト浮動小数点配列として内部に値を持っている。これはメモリの節約のため であり、更には全ての実数は 4 バイト浮動小数点値を用いて格納することが可 能だからである。より高精度のデータ(すなわち倍精度値)は一度 GMT がグリッ ド処理をして新しいグリッドを出力すると精度を失うだろう。データ処理の 時 に 精度の損失を制限するにはデータを処理する前に規格化することを常に考慮 すべきである。

ファイル seaMARCII_bathy.lon_lat_z から、探索半径 5 km の八分円による探 索 により、 0.5 分間隔、空の格子点値が -9999 のグリッドデータセットを作 成する。

nearneighbor seaMARCII_bathy.lon_lat_z −R242/244/-22/-20 −I.5m −E-9999 −Gbathymetry.grd −S5k −N8

geoid.xyz のデータから、球面距離で探索半径 200 km の四分円による探索に より、 2 つ未満の四分円に最低 1 個の値が含まれているときにのみ格子点 値 を NaN に設定し、 1 度間隔の全球グリッドファイルを作成する。

nearneighbor geoid.xyz −R0/360/-90/90 −I1 −Lg −Ggeoid.grd −S200K −N4/2

関連項目

blockmean(l), blockmedian(l), blockmode(l), GMT(l), surface(l), triangulate(l)