GRDSAMPLE

名前
書式
説明
オプション
グリッド値の精度
ヒント

関連項目

名前

grdsample − グリッドファイルを新しいグリッド上に再サンプルする

書式

grdsample in_grdfile −Gout_grdfile [ −F ] [ −Ixinc[unit][=|+][/yinc[unit][=|+]] ] [ −Lflag ] [ −Q[value] ] [ −Rwest/east/south/north[r] ] [ −T ] [ −V ] [ −fcolinfo ]

説明

grdsample はグリッドファイルを読んで内挿して新しいグリッドファイルを作 る。異なる保存方式( −F 又は −T )、又は新しい格子間隔もしくは格子点の数( −I )、そして場合により新しい部分領域( −R )のグリッドを作る。内挿には 3 次補間法[デフォルト]または 1 次補間法( −Q )と境界条件( −L )を使う。 −R だ けを用いるのは grdcut 又は grdedit −S を使うのと同等であることに注意 すること。 grdsample は粗いメッシュから細かいメッシュを安全に作ることが できるが、その逆は grdfft 又は grdfilter を用いてフィルタしないとエイリ アシングを起こすことがある。

−R が省略されると、出力グリッドは入力グリッドと同じ領域を覆う。 −I が省 略 されると、出力グリッドの格子間隔は入力グリッドと同じになる。 −F 又は −T のどちらかを使って格子保存方式を変えることができる。これが省略される と、出力グリッドは入力グリッドと同じ保存方式になる。

in_grdfile

入力する 2 次元のバイナリグリッドファイルの名前。

−G

出力グリッドファイルの名前。

オプション

−F

出力グリッドを画素保存にする[デフォルトは入力グリッドと同じ 保存方式]。

−I

x_inc [及び随意で y_inc ] は格子間隔である。分を示すには m を、秒を示すには c を付けること。もし代わりに e, k, i, n のいず れかの単位が付け加えられれば、それぞれ刻み幅はメートル、キロ メ ー トル、マイル、海里のいずれかと見なされ、その領域の中央の緯度 における経度の等価な度単位に変換される(変換方法は ELLIPSOID に 依 存 す る )。もし /y_inc が与えられて 0 に設定されていれば、 /x_inc と同じ値に再設定され、そうでない場合は緯度の度に変換され る 。 もし = が付加されていたら、対応する最大の x (東) 又は y ( 北) が与えられた刻み幅にちょうど一致するように微調整される [ デ フォルトでは刻み幅は与えられた領域に合うように微調整される]。最 後に、刻み幅を与える代わりに、与えられた刻み幅に + を付加するこ と により、必要な格子点の数を指定することができる。刻み幅は格子 点の数と領域から再計算される。再計算される刻み幅は格子保存グ リ ッ ドか画素保存グリッドのどちらを選ぶかに依存する。詳細は付録 B を参照すること。

−L

境界条件を flag で指定する。これを x 又は y 又は xy とす る と −R で設定される x 又は y 又はその両方の範囲が周期的であるこ とを示す。あるいは flagg とすると地理的な境界条件であること を示す ( x と y は経度と緯度) [デフォルトでは「自然」境界条件が 使われる(枠に垂直な成分の 2 階偏微分がゼロ)]。

−Q

高速モード。 3 次補間法[デフォルト]の代わりに 1 次補間法 で 内 挿する。オプションで、 0 <= value <= 1 の範囲の value を付け ることができる。このパラメータは NaN 値の格子へどれだけ内挿範囲 を近づけるかを制御する。例えば、 value が 0.5 ならば NaN でない 格子から NaN の格子までの 1/2 までは内挿される。あるいは、 0.1 な らばその約 90% まで、などとなる [デフォルトは 1 で、これは近 接する 4 つの格子のいずれも NaN にはならないことを意味す る] 。 value が 0 ならば内挿しないで最も近い格子の値を返すだけである。

−R

xmin, xmax, ymin, ymax は対象とする領域を指定する。地理的領 域 に対しては、これらの境界は西、東、南、北に対応し、小数値を含 む度又は [+-]dd:mm[:ss.xxx][W|E|S|N] のフォーマットで指定できる 。東西南北の代わりに地図座標の左下と右上を使うときは r を付ける こと。 2 つの略号 −Rg −Rd は全球領域(それぞれ経度 0/360 又 は -180/+180 と緯度 -90/+90 )を表す。暦時間座標系に対しては相対時 間(選択された TIME_EPOCH に対して相対的で、選択された TIME_UNIT を単位とする。 t−JX|x に付けること)又は [date]T[clock] 形式 の絶対時刻(T−JX|x に付けること)のどちらかを与えることができ る。少なくとも dateclock のどちらかが存在していなければなら ない。 T は常に必要である。 date の文字列は [-]yyyy[-mm[-dd]] ( グレゴリオ暦)又は yyyy[-Www[-d]] (ISO 週暦)の形式でなければなら ない。 clock の文字列は hh:mm:ss[.xxx] の形式でなければならない 。 区切り文字を利用する場合にはその型と位置が指定どおりでなけれ ばならない(ただし入出力と描画フォーマットは変更可能である)。

−T

格子保存と画素保存との変換を行う。入力が格子保存のときは 、 出力は画素保存となり、この逆も成立する。

−V

冗長モードを選択する。標準エラー出力に経過報告を送る[デフォ ルトでは「黙って」実行する]。

−f

入出力列の特殊フォーマットを使う(時間又は地 理 デ ー タ) 。 i(nput) 又は o(utput) を指定すること [デフォルトでは入力と出力 の両方]。コンマ区切りで 1 列以上(又は列の範囲)を与えること。 各 列 又 は 列 の範囲の項目に対して T (絶対暦時刻)、 t (選択された TIME_EPOCH に対する相対時間)、 x (経度)、 y (緯度)、 f ( 小 数) の いずれかを付けること。 −f[i|o]g−f[i|o]0x,1y (地理座標)の 省略形である。

グリッド値の精度

入力データの精度に関わらず、グリッドファイルを GMT のプログラムは 4 バ イ ト浮動小数点配列として内部に値を持っている。これはメモリの節約のため であり、更には全ての実数は 4 バイト浮動小数点値を用いて格納することが可 能だからである。より高精度のデータ(すなわち倍精度値)は一度 GMT がグリッ ド処理をして新しいグリッドを出力すると精度を失うだろう。データ処理の 時 に 精度の損失を制限するにはデータを処理する前に規格化することを常に考慮 すべきである。

ヒント

内挿点が入力グリッドの格子点上にないときは、その点に隣接する点が 1 つで も NaN であれば、内挿点も NaN になる。 3 次補間法による内挿[デフォルト] は 1 階微分を連続にするが、縦 4 個、横 4 個の隣接点が必要である。 1 次 補間法による内挿[ −Q ]では縦 2 個、横 2 個の隣接点しか使わないが、 0 次 の連続にしかならない。滑らかさを重視するときは 3 次補間法を使うこ と 。 NaN の増加を最小限に抑えたいときは 1 次補間法を使うこと。

経度 5 分、緯度 5 分のグリッド hawaii_5by5_topo.grd を 1 分グリッドに再 サンプルする。

grdsample hawaii_5by5_topo.grd −I1m −Ghawaii_1by1_topo.grd

格子保存されているファイル surface.grd を同じ領域と格子間隔のままで画素 保存に変換する。

grdsample surface.grd −T −Gpixel.grd

関連項目

GMT(l), grdedit(l), grdfft(l), grdfilter(l)