grdraster − バイナリラスタから部分領域を抽出しグリッドファイルを書き出 す |
grdraster [ filenumber | "text pattern" ] −Rwest/east/south/north[r] [ −Ggrdfilename ] [ −Ixinc[m|c][/yinc[m|c]] ] [ −Jparameters ] [ −V ] [ −bo[s|S|d|D][ncol] ] |
grdraster は grdraster.info というファイルを環境変数 $GMT_USERDIR 及 び $GMT_GRIDDIR 、又は $GMTHOME/share/dbase により(この順で)示されたディレ クトリから読み込む。この info ファイルはデータファイルに走査線フォー マ ッ トで記憶されたデータのバイナリ配列を定義する。各ファイルには info フ ァイルの filenumber が与えられる。 grdraster は −R により定義された領域 に 渡るグリッドファイルにラスタデータを移す方法を計算する。デフォルトで はグリッド間隔はラスタ間隔に等しくなる。 −I オプションを用いてラスタ デ ー タから部分サンプルすることもできる。しかしフィルタリングや内挿は行わ れない。グリッドファイルの x_inc と y_inc はラスタファイルの間隔の倍 数 で な け れ ば な ら ず grdraster は単純に n 番目ごとにサンプルする。 grdraster の出力はラスタで使われた保存方法に依存して格子保存又は画素 保 存 になる。利用可能なラスタを反映した grdraster.info ファイルを各サイト で維持するのは GMT システムの管理人次第である。ラスタデータセットは GMT で は供給されないが匿名 ftp や CD-ROM から入手できる ( dbase ディレクト リの README ページ参照)。 grdraster は引き数がないときは利用可能なフ ァ イルの一覧を出力する。最後に、 grdraster は出力グリッドファイルの名前が 与えられないとき xyz の値を標準出力に書き出す。 |
filenumber |
grdraster.info ファイルに挙げられたファイルのうちの 1 つに適 合 す る整数が与えられればそのデータセットを使い、そうでなければデ ータセットを決めるために与えられた文字列パターンをデータセッ ト の記述と照合する。 |
−R |
west, east, south, 及び north は対象とする領域を指定する。 小数値を含む度又は [+-]dd:mm[:ss.xxx][W|E|S|N] のフォーマットで 指 定できる。東西南北の代わりに地図座標の左下と右上を使うときは r を付けること。 2 つの略号 −Rg −Rd は全球領域(それ ぞ れ 経 度 0/360 又は -180/+180 と緯度 -90/+90 )を表す。 r を付けたときは 、領域の形を定義するために図法も指定したほうが良い。出力領域 は 縦横両方で最も近い全体の格子ステップに丸められる。 |
−G |
出力グリッドファイルの名前。設定しなければ、グリッドはアス キー(又はバイナリ、 −bo 参照)の xyz の値として標準出力に書き 出 される。 |
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−I |
x_inc [及び随意で y_inc ] は格子間隔である。分を示すには m を、秒を示すには c を付けること。もし代わりに e, k, i, n のいず れ かの単位が付け加えられれば、それぞれ刻み幅はメートル、キロメ ートル、マイル、海里のいずれかと見なされ、その領域の中央の緯 度 における経度の等価な度単位に変換される(変換方法は ELLIPSOID に 依存する)。もし /y_inc が与えられて 0 に設定されて い れ ば 、 /x_inc と同じ値に再設定され、そうでない場合は緯度の度に変換され る。もし = が付加されていたら、対応する最大の x (東) 又は y ( 北) が与えられた刻み幅にちょうど一致するように微調整される [デ フォルトでは刻み幅は与えられた領域に合うように微調整される]。最 後に、刻み幅を与える代わりに、与えられた刻み幅に + を付加するこ とにより、必要な格子点の数を指定することができる。刻み幅は格 子 点 の数と領域から再計算される。再計算される刻み幅は格子保存グリ ッドか画素保存グリッドのどちらを選ぶかに依存する。詳細は付録 B を参照すること。 |
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−J |
地図の図法を選択する。尺度は UNIT/degree 、1:xxxxx 、又は UNIT 単位の幅 (オプションを大文字にする) で あ る 。 UNIT は .gmtdefaults4 で設定された MEASURE_UNIT によって cm 、インチ、 又は m になるが、 c, i, m を scale/width の値に付けることによっ て 、コマンドライン上で上書き変更することができる。地図の高さ、 最大の大きさ、最小の大きさを指定するには、それぞれ h, +, - を width に付けること。 |
詳細は psbasemap の man ページを参照すること。 円筒図法: −Jclon0/lat0/scale
(カッシーニ図法) 方位図法: −Jalon0/lat0/scale
(ランベルト正積方位図法) 円錐図法: −Jblon0/lat0/lat1/lat2/scale
(アルベルス正積円錐図法) 様々な図法: −Jhlon0/scale (ハンメル図法) 非地理的図法: −Jp[a]scale[/origin][r|z]
(極座標 (theta,r)) |
−V |
冗長モードを選択する。標準エラー出力に経過報告を送る[デフォ ルトでは「黙って」実行する]。 |
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−bo |
バイナリ出力を選択する。単精度に対しては s を付けること [ デフォルトは d (倍精度)]。大文字の S (又は D) にするとバイト ス ワ ップを行う。随意で、バイナリ出力ファイルの必要な列数 ncol を 付けること。このオプションは −G オプションが設定されていない と きにだけ適用される。 |
後 で フィルタリングできるように 360 度を越えた範囲で、ラスタ 1 から 30 分ごとに 1 点にづつデータを抽出する。 grdraster 1 −R-4/364/-62/62 −I30m −Gdata.grd 斜めメルカトル図法に対するデータを得るには実際に使われるよりも多くの デ ータを抽出する必要がある。これは grdraster の出力が緯線と子午線で定義さ れた端を持っているのに対し、一般的に斜め地図はそうではないので必然的 な 結 果である。従って、 ETOPO2 データから全てのデータを得るには左下と右上 の角と求める図法により定義された領域に対する等値線図を作る必要がある。 grdraster ETOPO2 −R160/20/220/30r −Joc190/25.5/292/69/1 −Gdata.grd 2 分間隔の Geoware の地形ブレンドからデータを抽出してバイナリの倍精度の xyz の値として標準出力に書き出す。 grdraster "2 min Geoware" −R20/25/-10/5 −bo >! triplets.b |
gmtdefaults(l), GMT(l), grdsample(l), grdfilter(l) |
Wessel, P., and W. H. F. Smith, 2005, The Generic Mapping
Tools (GMT) version 4.1 Technical Reference & Cookbook,
SOEST/NOAA. |