GRDFILTER

名前
書式
説明
オプション

制限
関連項目

名前

grdfilter − 時間領域で 2 次元グリッドファイルをフィルタする

書式

grdfilter input_file.grd −Ddistance_flag −F<filtertype><width>[mode] −Goutput_file.grd [ −Ixinc[unit][=|+][/yinc[unit][=|+]] ] [ −Rwest/east/south/north[r] ] [ −T ] [ −V ] [ −f[i|o]colinfo ]

説明

grdfilter は選択した畳込みあるいは非畳込みフィルタを用いて、時間領域で .grd ファイルをフィルタし、カルテジアン座標系あるいは球座標系で距離を計 算 する。出力される .grd ファイルは随意で入力の sub−Region (部分領域)や 別の −Increment (間隔)にすることもできる。このようにして、入力の端を 使 わ ず出力が入力の端の半分の幅に収まるようにするため「余分なスペース」を 入力データに入れておくこともできる。フィルタをローパスにしたとき、出 力 のサンプリング間隔は入力よりも大きくなることがある。

input_file.grd

フィルタされるデータを含むファイル。

−D

距離フラグ flag は格子点 (x,y) とフィルタ幅 width を以下の ように関係づけることを示す。

flag = 0: 格子点 (x,y) が width と同じ単位で、カルテジアン座標 の距離である。

flag = 1: 格子点 (x,y) が度、 width がキロメートルで、カルテジ アン座標の距離である。
flag
= 2: 格子点 (x,y) が度、 width がキロメートルで、 dx が cos( 中心の y) でスケールされており、カルテジアン座標の距離であ る。

以上のオプションは重み行列を1回しか計算しないため最も速い。次の 2 つのオプションは各緯度について重みを再計算するのでより遅い。

flag = 3: 格子点 (x,y) が度、 width がキロメートルで、 dx が cos(y) でスケールされており、カルテジアン座標の距離である。
flag
= 4: 格子点 (x,y) が度、 width がキロメートルで、 dx が cos(y) でスケールされており、球座標の距離である。

−F

フィルタの種類を設定する。畳込み・非畳込みフィルタの中から 選ぶこと。フィルタコードと時間列と同じ単位のフィルタ全幅 width を付けること。利用できる畳込みフィルタは以下の通り。

(b) ボックスカー: 全ての重みが等しい。
(c) コサインアーチ: コサインアーチ曲線に従う重み。
(g) ガウシアン: ガウス関数によって与えられる重み。
非畳込みフィルタは以下の通り。
(m) 中央: 中央値を返す。
(p) 最尤推定 (最頻値推定): 最頻値を返す。 1 つ以上の最頻値が見 つかったときはそれらの平均値を返す。最頻値の中から最小あるい は 最 大を返して欲しい場合はフィルタ幅に - あるいは + を付けること 。
(l) 最小: 全ての値の最小値を返す。
(L) 最小: 全ての正の値の中から最小値を返す。
(u) 最大: 全ての値の最大値を返す。
(U) 最大: 全ての負の値の中から最大値を返す。
L|U
の場合は最初の符号テストを通過するデータが無いことがある 。 その場合、フィルタは 0.0 を返す。

−G

output_file.grd はフィルタの出力である。

オプション

−I

x_inc [及び随意で y_inc ] は格子間隔である。分を示すには m を、秒を示すには c を付けること。新しい x_inc, y_inc が(入 力 データの)間隔の整数倍でないときは、フィルタリングはかなり遅くな る [デフォルトは入力と同じ]。

−R

xmin, xmax, ymin, ymax は出力領域を指定する [デフォルトは入 力と同じ]。

−T

入力グリッドの反対になるように出力グリッドのノード配置を変 更する [デフォルトでは入力グリッドと同じ配置]。

−V

冗長モードを選択する。標準エラー出力に経過報告を送る [デ フ ォルトでは「黙って」実行する]。

−f

入 出 力列の特殊フォーマットを使う(時間又は地理データ)。 i(nput) 又は o(utput) を指定すること [デフォルトでは入力と出 力 の 両方]。コンマ区切りで 1 列以上(又は列の範囲)を与えること。各 列又は列の範囲の項目に対して T (絶対暦時刻)、 t (選 択 さ れ た TIME_EPOCH に対する相対時間)、 x (経度)、 y (緯度)、 f (小数) のいずれかを付けること。 −f[i|o]g−f[i|o]0x,1y (地理座標) の 省略形である。

north_pacific_dbdb5.grd が 140E 〜 260E 、 0N 〜 50N の 5 分間隔の水深 のファイルであるとして、半径 300km 以内 (全幅600km) で中央値を探し、 出 力を 150E 〜 250E 、 10N 〜 40N の範囲で 0.5 度間隔にしたいとする。これ を球座標で計算するには次のようにする必要がある。

grdfilter north_pacific_dbdb5.grd −Gfiltered_pacific.grd −Fm600 −D4 −R150/250/10/40 −I0.5 −V

制限

地 理的な(緯度、経度)格子で作業するとき、 3 つの畳込みフィルタ(ボックス カー、コサインアーチ、ガウシアン) では全て緯度によって変化する格子サ イ ズ に 合わせてフィルタの重みが適切に調整され、フィルタの「円」が周期的( 0-360 )な境界と交差したり地理上の極を含んだりするとき、畳込みに必要な格 子 は正しく決定される。しかし、中央値や最頻値のような空間フィルタは、重 みを使わないためカルテジアン座標(あるいは非常に低い緯度)でのみ使われ る べ きである。このような空間フィルタを使いたいときは、データを等面積図法 に投影してから、そのカルテジアン座標上で grdfilter を実行するべきである 。

関連項目

GMT(l), grdfft(l)