名前

       grdgradient - z(x,y) を表す 2-D グリッドファイルから方向微
分または勾配を計算します


概要

       grdgradient in_grdfile -Gout_grdfile [ -Aazim[/azim2] ]  [
-D[c][o][n] ] [ -Lflag ] [ -M ] [
-N[e][t][amp][/sigma[/offset]] ] [ -Sslopefile ] [ -V ]


記述

       grdgradient は与えられた方向における方向微分 (-A) または
データのベクトル勾配の方向 (-S) [と大きさ (-D)] を計算でき
ます。出力の最初/最後の行/列の推定値は境界条件に依存します
( -L 参照)。

in_grdfile 方向微分を計算する 2-D グリッドファイル。 -G 方向微分を出力するグリッドファイル。



オプション

         オプションフラッグと関連する引数の間に空白は入りません。
オプションフラッグには大文字を使い、その付属コードには小文
字を使います。

-A 方向微分の方位; azim は x,y 平面における北( +y の方
向)から東( +x の方向)へ時計回りに測った度単位の角度
です。方向微分のマイナス -[dz/dx*sin(azim) + dz/dy*cos(azim)]
は、 z(x,y) の傾きが azim の方向において下りのときに
正の値になり、 azim 方向から照らす x,y 平面の上の光
源による画像への陰影付け( grdimage および grdview
 参照)としては正しいことになります。オプションとして、
2つの方位 -Aazim/azim2 を与えると、各方向における勾
配が計算され、大きな方だけが残されます; これは2方向の
線状構造を持つデータを照らすのに便利です。例えば、
 -A0/270 とすると北(上)と西(左)から照らします。

-D データの勾配の向きを見つけます。デフォルトでは、向き
は上の -Aazim と同様に北から時計回りに測ります。
c を付けると伝統的なカルテジアン角度を用いて正の x
 (東)の向きから反時計回りに測ります。 o を付けると向
き(0-360)ではなく方向(0-180)を報告します。 n を付け
ると90度をすべての角度に加えます(例えば線状構造の方
向を与えるとき)。

-L 境界条件の flagx または y または xy の場合があ
り、 x または y またはその両方に関して周期的であるこ
とを示します。または、 flagg の場合があり、これ
は地理座標の条件であることを示します( x と y が経度
と緯度) [デフォルトでは"自然"境界条件(端に直交する2
階微分がゼロ)]。

-M デフォルトでは grdgradient の単位は( z の単位)/
( dx および dy の単位)です。しかし、ユーザはこのオプ
ションを選んで、経度、緯度の度単位の dx,dy をメート
ル単位に変換して、 grdgradient の単位を( z の単位)
/メートルにすることができます。

-N 規格化[デフォルト: 規格化無し]。実際の勾配 g はオフ
セットおよびスケールされ最大出力の大きさが amp であ
る規格化勾配 gn になります。 amp が与えられないとき
は、デフォルトで amp = 1 となります。 offset が与え
られないときは、 g の平均に設定されます。 -N とする
gn = amp * (g - offset)/max(abs(g - offset)) とな
ります。 -Ne とすると累積ラプラス分布を用いて規格化
gn = amp * (1.0 - exp(sqrt(2) * (g - offset)/sigma))
となり、ここで sigma が与えられないときは (g - offset)
 の L1 ノルムを用いて推定されます。 -Nt とすると累積
コーシー分布を用いて規格化し gn = (2 * amp / PI) *
atan( (g - offset)/sigma) となり、ここで sigma が与
えられないときは (g - offset) の L2 ノルムを用いて推
定されます。

-S 勾配ベクトルのスカラー値を出力するグリッドファイルの
名前。 -D が必要です。

-V 冗長モードを選択します。標準エラー出力に経過報告を
送ります[デフォルトでは"静かに"走ります]。


ヒント

       grdimagegrdview 用の強度ファイルを作るのに使う -N
プションをどうすれば良いのか分からなければ、始めは -Ne0.6
としてみるのが良いでしょう。

大きなデータセットの複数のサブ領域の陰影図を作りたいときで、
マップ全体に渡って一定の陰影効果が必要となるときは、各マッ
プの grdgradient-N オプションに同じ sigmaoffset
 の値を与えます。 offset = 0 とし、規格化されていない勾配グ
リッドに grdinfo -L2 または -L1 を適用してこれから求まる
 sigma を使うと良いのではないでしょうか。

単にグリッドの x または y の微分が必要なのであれば、 grdmath
 を使いましょう。


用例

       geoid.grd のデータに陰影を付けるためのファイルを、北と西の
方向にある光源を模して、指数分布に規格化した勾配を用いて作
ります。

grdgradient geoid.grd -A0/270 -Ggradients.grd -Ne0.6 -V ファイル topo.grd の海底地形構造の方位を見つけます。 grdgradient topo.grd -Snao -Gazimuths.grd -V

関連事項

       gmt(l), gmtdefaults(l),  grdhisteq(l),  grdimage(l),  grdview
       (l), grdvector(l)



1 May 2003 GRDGRADIENT(l)

Man(1) output converted with man2html