名前

       pstext - マップ上に文字列をプロットします


概要

       pstext  textfile -Jparameters -Rwest/east/south/north[r] [
       -Btickinfo ] [ -Cdx/dy ] -D[j]dx/dy[v[red/green/blue] ]  [
       -Eazimuth/elevation  ] [ -Gred/green/blue ] [ -H[nrec] ] [
       -K ] [ -L ] [ -M[flag] ] [ -N ] [ -O ] [ -P ] [ -Spen ]  [
       -U[/dx/dy/][label]       ]       [       -V       ]      [
       -W[red/green/blue][o|O|c|C[pen]] ] [ -Xx-shift  ]  [  -Yy-
       shift ] [ -Zzlevel ] [ -ccopies ] [ -: ]


記述

       pstext は様々な大きさ、フォントタイプ、方向の文字列をプロッ
トします。いろいろなマップの投影法、それとマップの枠を描い
たりそこに目盛りを入れたりするオプションを利用することがで
きます。 PostScript コードが標準出力に書き出されます。ギリ
シャ文字、下付き文字、上付き文字、スモールキャップは次のよ
うにサポートされています: 文字列 @~ により選択フォントとギ
リシャ文字(シンボル)を切り替えます。文字列 @%no% はフォント
no に設定します; @%% はフォントを始めのフォントに戻し、
 @- は下付き文字のオン/オフを切り替え、 @+ は上付き文字のオ
ン/オフを切り替え、 @# はスモールキャップのオン/オフを切り
替えます。 @@ は @ という文字をプリントするのに使います。
 @e, @o, @a, @E, @O, @A はアクセント付きスカンジナビア文字を
与えます。合成文字(重ね打ち)は @!<char1><char2> という形で
表すことができ、2文字が互いに重なり合ってプリントされます。
 キーボードからは利用できない記号や一部のアクセント付きヨー
ロッパ文字の8進数コードを知るには、セクション4.16と GMT
 Technical Reference and Cookbook の Appendix F を参照してく
ださい。アクセント付き文字を使うためには .gmtdefaults ファ
イルの WANT_EURO_FONT が TRUE に設定されていなければならな
いことに注意してください。 -W オプションを使って、文字列の
下に色付きの長方形をプロットすることができます(パラグラフモ
ード(-M)のときを除いて下/上付き文字、記号、合成文字を含む文
字列に対しては無効です)。

textfile このファイルには(x, y, size, angle, fontno, justify,
  text)というレコードが1行以上含まれます。ファイルが与
えられないときは、 pstext は標準入力を読み込みます。
 size はポイント単位の文字の大きさ、 angle は水平線か
ら反時計回りに度単位で計った角度、 fontno はフォント
タイプ、 justify は文字の位置の設定に用いられます。
fontno が整数でないときは、使いたいフォント名の文字列
 であると見なされます。利用可能なフォント名と番号につ
いては gmtdefaults のマニュアルページを参照してくだ
さい(または pstext -L を実行してください)。文字の位
置は、その文字のどの部分が(x,y)の点に置かれるかという
方法で指定します。 L, C, R (左、中央、右)および T, M,
 B (上、中、下)の中から2文字の組合せを選択してください。
 例えば、 BL は左下を意味します。

-J マップの投影法を選択します。スケールは UNIT/degree 、
1:xxxxx 、または UNIT 単位の幅 (オプションを大文字に
する) で指定します。 UNIT は .gmtdefaults で設定した
 MEASURE_UNIT に依存して cm 、 inch 、または m になり
ますが、 c 、 i 、または m を scale/width の値に付け
加えることによりコマンドラインで変更することができます。

円筒図法:

-Jclon0/lat0/scale (カッシーニ)
-Jjlon0/scale (ミラー)
-Jmscale (メルカトル - 投影中心はグリニッジ子午線と赤道)
-Jmlon0/lat0/scale (メルカトル - 投影中心は自分で設定)
-Joalon0/lat0/azimuth/scale (斜めメルカトル -
投影中心と角度を設定)
-Joblon0/lat0/lon1/lat1/scale (斜めメルカトル -
2点を設定)
-Joclon0/lat0/lonp/latp/scale (斜めメルカトル -
中心点と極を設定)
-Jqlon0/scale (等距円筒図法(Plate Carree))
-Jtlon0/scale (TM - 横メルカトル、赤道を y = 0 とする)
-Jtlon0/lat0/scale (TM - 横メルカトル、
原点は自分で設定)
-Juzone/scale (UTM - ユニバーサル横メルカトル)
-Jylon0/lats/scale (基本円筒図法)

方位図法:

-Jalon0/lat0/scale (ランベルト正積方位)
-Jelon0/lat0/scale (正距方位)
-Jflon0/lat0/horizon/scale (心射)
-Jglon0/lat0/scale (正射)
-Jslon0/lat0/[slat/]scale (一般平射)

円錐図法:

-Jblon0/lat0/lat1/lat2/scale (アルベルス正積円錐)
-Jdlon0/lat0/lat1/lat2/scale (正距円錐)
-Jllon0/lat0/lat1/lat2/scale (ランベルト正角円錐)

様々な図法:

-Jhlon0/scale (ハンメル)
-Jilon0/scale (正弦曲線=サンソン)
-Jk[f|s]lon0/scale (エッケルト IV (f) および VI (s))
-Jnlon0/scale (ロビンソン)
-Jrlon0/scale (ヴィンケル第3式)
-Jvlon0/scale (ファン・デア・グリンテン)
-Jwlon0/scale (モルワイデ)

非地理的図法:

-Jp[a]scale[/origin] (極 (theta,r) 座標、
随意で a を付け方向、オフセットの角度を設定 [0])
-Jxx-scale[l|ppow][/y-scale[l|ppow]] (線形、対数、
指数スケーリング)
詳細は psbasemap のマニュアルページにあります。

-Jz 垂直方向のスケールを設定します(3-Dマップに対して)。
-Jxと同じ方法で記述します。

-R west, east, south, north は興味のある領域を特定し
ます。度と分[と秒]で境界を特定するには、dd:mm[:ss]
のフォーマットを使ってください。wesnの代わりに左下
と右上のマップ座標を使うときは r を付け加えてくださ
い。


オプション

       オプションフラッグとそれに付属する記述の間にスペースを入れ
てはいけません。

-B マップの縁のティックマークを設定します。詳細は
 psbasemap を参照してください。

-C 文字と周囲のボックスとの間の余白を設定します
[0.15c/0.15c (または 0.05i/0.05i)]。 -W を指定したと
きだけ用いられます。

-D 投影された (x,y) の点から dx,dy だけ文字をずらします
[0/0]。代わりに -Dj を用いるとその点から文字を遠ざけ
るようにずらすことができます(すなわちその文字の位置
設定によりずらされる方向が決まります)。パラグラフモ
ードでは(-M)、 v を付けることにより元の点からずらさ
れた点まで線を引くことができます。この線に対してはオ
プションとして pen を付けることができます。

-E 視点の方位角と高度を設定します(立体図に対して)[デフォ
ルトは180/90]。(パラグラフモードでは使えません)

-G 文字を描くのに用いられるグレースケール(0-255)または
カラー(r/g/b、それぞれ0-255)を設定します。[デフォル
トは黒]

-H 入力ファイルにヘッダレコードがあります。ヘッダレコ
ードの数は .gmtdefaults ファイルを編集することによ
り変更できます。このオプションが使われた場合、 GMT
のデフォルトではヘッダレコードは1行です。

-K さらに PostScript コードが後に続きます[デフォルトで
はプロットシステムを終了します]。

-L 利用できるフォント番号とフォント名を出力して終了しま
す。

-M パラグラフモード。ファイルは複数セグメントからなる
ファイルでなければなりません。セグメントは最初の文字
flag である特別なレコードで分割されます[デフォルト
は'>']。3桁目からは、パラグラフ(次のセグメントヘッダ
までの残りの行)の形式に関する情報が含まれていると見
なされます。期待されている情報は(x y size angle
 fontno justify linespace parwidth parjust)で、 x y
 size angle fontno justify は上の定義に従い、
 linespaceparwidth はそれぞれ行間隔とパラグラフの
幅です。パラグラフの位置調整は parjust を用いて l(eft)、
 c(enter)、 r(ight)、 j(ustified) と指定します。セグ
メントヘッダの後には1行以上のパラグラフが続きます。
 文字には上で挙げたエスケープ文字のほかに次の3種類も
利用できます: @;r/g/b; はフォントの色を変え( @;; で
元に戻ります)、 @:size: はフォントの大きさを変え(@::
で元に戻ります)、 @_ は下線のオン/オフを切り替えます。
 空行でパラグラフを区切ることができます。

-N マップの枠で文字列をクリップしたくないときに使いま
す[デフォルトではクリップされます]。

-O 上書きプロットモードを選択します[デフォルトでは新
しいプロットシステムに初期化します]。

-P ポートレート描画モードを選択します[GMTのデフォル
トはランドスケープです。これを変更するには
 gmtdefaults を参照してください]。

-S 文字の輪郭を描きます。ペン属性を付けてください(パラ
グラフモードでは使えません)。

-U 図に Unix システムのタイムスタンプを入れます。図の
左下隅に対するスタンプの左下隅の位置を決めることが
できます。随意でラベル、または c (コマンド文字列を
プロットします。)を付け加えることができます。 GMT
のパラメータ UNIX_TIME と UNIX_TIME_POS は外見に影
響を及ぼします; 詳細は gmtdefaults のマニュアルペ
ージを参照してください。

-V 冗長モードを選択します。標準エラー出力に経過報告を
送ります[デフォルトでは"静かに"走ります]。

-W 文字列の下に長方形を描きます。色を設定してください
[デフォルトでは塗られません]。 o を付けると長方形の
輪郭が描かれ、 pen を付けるとペン属性を指定できます
[1/0/0/0]。角が丸い長方形にするには大文字の O を使い
ます(パラグラフモードの時だけ)。くぼんだ長方形にする
には小文字の c を使います(パラグラフモードの時だけ)。
ふくらんだ長方形にするには大文字の C を使います(パラ
グラフモードの時だけ)。

-X -Y 図の原点を (x-shift,y-shift) だけ動かします。値の
前に a を付けると絶対座標を表します; デフォルト
 (r) で図の原点が元に戻ります。

-Z 3-Dマップ用のオプションです: ベースマップのzの基準を
設定します[0]。(パラグラフモードでは使えません)

-: 入出力の(経度,緯度)と(緯度,経度)を入れ替えます。[デ
フォルトは(経度,緯度)です]。地理座標のみに適用されま
す。

-c 図のコピー枚数を指定します。[デフォルトは1]


用例

       ファイル text.d の文字列とその輪郭を与えられた条件でメルカ
トル図にプロットします。

pstext text.d -R-30/30/-10/20 -Jm0.1i -P -B5 -S0.5p >
plot.ps

幅3インチの図に注釈を入れます。

pstext -R0/3/0/5 -JX3i -O -H -M -N << EOF >> figure.ps
This is an optional header record
> 0 -0.5 12 0 4 LT 13p 3i j
@%5%Figure 1.@%% This illustration shows nothing useful,
but it still needs
a figure caption. Highlighted in @;255/0/0;red@;; you can
see the locations
of cities where it is @_impossible@_ to get any good Thai
food; these are to be avoided.
EOF


バグ

       パラグラフモードを除いて、文字の周囲の長方形の水平位置調整
は、文字列にギリシャ文字、下・上付き文字、合成文字が含まれ
ているときはうまくいきません。パラグラフモードでは、合成文
字やその他のエスケープ文字が予期せぬ単語の分割を招く可能性
があります。また、輪郭オプションはエスケープ文字には働きま
せん。 -N オプションは BoundingBox の情報を調整しません。
これは、 PostScript の出力に対して epstool または ps2epsi
 を用いて正しい BoundingBox を得る処理を後でしなければならな
いかもしれないからです。


関連事項

       gmt(l), psbasemap(l)



1 May 2003 PSTEXT(l)

Man(1) output converted with man2html