名前

       gmtselect - 複数の空間的な基準に基づいてデータのサブセット
を選択します


概要

       gmtselect [ infiles ] [ -Amin_area[/min_level/max_level] ]
[ -C[f]dist/ptfile ] [ -Dresolution ] [ -Fpolygonfile ] [
-H[nrec] ] [ -I[cflrs] ] [ -Jparameters ] [ -L[dist/line- file] ] [ -M[flag] ] [ -Nmaskvalues[o] ] [
-Rwest/east/south/north[r] ] [ -V ] [ -: ] [ -bi[s][n] ] [
-bo[s][n] ]


記述

       gmtselect は(経度,緯度)の位置を infiles [または標準入力]の
最初の2列から読んで、1-5個の基準の組合せを用いてレコードを
通したり止めたりするフィルタです。レコードはそれらが 1) 長
方形領域の内部 (-R [および -J])、2) ptfile のどれかの点から
 dist km 以内、3) linefile のどれかの線から dist km 以内、
4) polygonfile のどれかの多角形の内部、5) 地理的な領域の内
部(海岸線に基づく)にあるかどうかに基づいて選択されます。こ
れら5つの基準による選択領域を反転させるには -I オプションを
使います。(緯度,経度)のファイルを読む方法についてはオプショ
-: を参照してください。
オプションフラッグとそれに付属する記述の間にスペースを入
れてはいけません。オプションフラッグには大文字を使い、その
付属コードには小文字を使います。

infiles 処理を受ける ASCII (またはバイナリ、 -b 参照)データ
ファイル。与えられないときは、標準入力が読まれます。


オプション

       -A     -N を設定しない限り無視されます。min_area (km^2) よ
り狭い面積の部分や、階層的に min_level より低いレベ
ルまたは max_level より高いレベルの部分は無視されます
[デフォルトは 0/4 (すべて)]。詳細は pscoast マニュア
ルページのデータベース情報を参照してください。

-C ptfile のどれかの点から dist km 以内の位置にあるす
べてのレコードを通します。 dist がゼロのときは ptfile
 の3列目に各点ごとの影響半径がなければなりません。前
f を付けると(より遅い)正確な大円の計算でなく(より
速い)おおよその平面地球の距離で計算します。

-D -N を設定しない限り無視されます。用いる海岸線のデー
タセットの解像度を選択します((f)ull、(h)igh、(i)ntermediate、
(l)ow、(c)rude)。データセットの間で解像度は80%下がり
ます[デフォルトは l です]。異なる解像度を選択したと
き、海岸線が細かい部分で異なるために、ある点が内部
[または外部]に残るかどうかは保証されないので注意して
ください。

-F 複数セグメントファイル polygonfile の閉じた多角形の
内部に位置するすべてのレコードを通します。

-H 入力ファイルにヘッダレコードがあります。ヘッダレコ
ードの数は .gmtdefaults ファイルを編集することによ
り変更できます。このオプションが使われた場合、 GMT
のデフォルトではヘッダレコードは1行です。

-I 指定した基準の意味を逆にすることができます:
c は点の影響する円の内側でないレコードを選び
ます。
f は多角形の内側でないレコードを選びます。
l は線から指定した距離以内でないレコードを選
びます。
r は指定した長方形領域の内側でないレコードを
選びます。
s-A, -D, -N で指定した領域の内側でない
レコードを選びます。

-J マップの投影法を選択します。スケールは UNIT/degree 、
1:xxxxx 、または UNIT 単位の幅 (オプションを大文字に
する) で指定します。 UNIT は .gmtdefaults で設定した
 MEASURE_UNIT に依存して cm 、 inch 、または m になり
ますが、 c 、 i 、または m を scale/width の値に付け
加えることによりコマンドラインで変更することができます。

円筒図法:

-Jclon0/lat0/scale (カッシーニ)
-Jjlon0/scale (ミラー)
-Jmscale (メルカトル - 投影中心はグリニッジ子午線と赤道)
-Jmlon0/lat0/scale (メルカトル - 投影中心は自分で設定)
-Joalon0/lat0/azimuth/scale (斜めメルカトル -
投影中心と角度を設定)
-Joblon0/lat0/lon1/lat1/scale (斜めメルカトル -
2点を設定)
-Joclon0/lat0/lonp/latp/scale (斜めメルカトル -
中心点と極を設定)
-Jqlon0/scale (等距円筒図法(Plate Carree))
-Jtlon0/scale (TM - 横メルカトル、赤道を y = 0 とする)
-Jtlon0/lat0/scale (TM - 横メルカトル、
原点は自分で設定)
-Juzone/scale (UTM - ユニバーサル横メルカトル)
-Jylon0/lats/scale (基本円筒図法)

方位図法:

-Jalon0/lat0/scale (ランベルト正積方位)
-Jelon0/lat0/scale (正距方位)
-Jflon0/lat0/horizon/scale (心射)
-Jglon0/lat0/scale (正射)
-Jslon0/lat0/[slat/]scale (一般平射)

円錐図法:

-Jblon0/lat0/lat1/lat2/scale (アルベルス正積円錐)
-Jdlon0/lat0/lat1/lat2/scale (正距円錐)
-Jllon0/lat0/lat1/lat2/scale (ランベルト正角円錐)

様々な図法:

-Jhlon0/scale (ハンメル)
-Jilon0/scale (正弦曲線=サンソン)
-Jk[f|s]lon0/scale (エッケルト IV (f) および VI (s))
-Jnlon0/scale (ロビンソン)
-Jrlon0/scale (ヴィンケル第3式)
-Jvlon0/scale (ファン・デア・グリンテン)
-Jwlon0/scale (モルワイデ)

非地理的図法:

-Jp[a]scale[/origin] (極 (theta,r) 座標、
随意で a を付け方向、オフセットの角度を設定 [0])
-Jxx-scale[l|ppow][/y-scale[l|ppow]] (線形、対数、
指数スケーリング)
詳細は psbasemap のマニュアルページにあります。

-L 複数セグメントファイル linefile の線分のいずれかから
 dist km 以内の位置にあるすべてのレコードを通します。
dist がゼロのときは linefile のサブヘッダの2列目に各
線分ごとの距離の値がなければなりません。引数が与えら
れないときは、代わりに、 x の列に経度が入っていて、
-R の領域とは360度[の倍数]だけ差がある可能性があるこ
とを示します[デフォルトでは周期性は仮定しません]。

-M 複数のセグメントからなるファイルであることを意味しま
す。セグメントは flag で始まるレコードで区切られてい
ます[デフォルトは '>' ]。

-N 指定した地理的な領域の内側の位置にあるすべてのレコー
ドを通します。2つのフォーマットのうち1つを用いてレコ
ードを無視する(skip)か保持する(keep)か指定します:
-Nwet/dry.
-Nocean/land/lake/island/pond.
o を付けるとちょうど境界上に位置する点は外部として扱
われます[デフォルトでは内側] [デフォルトは s/k/s/k/s
 (すなわち s/k) で陸地のすべての点を通します]。

-R west, east, south, north は興味のある領域を特定し
ます。度と分[と秒]で境界を特定するには、dd:mm[:ss]
のフォーマットを使ってください。wesnの代わりに左下
と右上のマップ座標を使うときは r を付け加えてくださ
い。マップの投影法が与えられていないときは暗黙で -Jx1
  に設定されます。

-V 冗長モードを選択します。標準エラー出力に経過報告を
送ります[デフォルトでは"静かに"走ります]。

-: 入出力の(経度,緯度)と(緯度,経度)を入れ替えます。[デ
フォルトは(経度,緯度)です]。地理座標のみに適用されま
す。

-bi バイナリ入力を選択します。単精度に対しては s を付け
加えます[デフォルトは倍精度です]。バイナリファイルの
列数に応じて n を付け加えてください[デフォルトは2で
す]。

-bo バイナリ出力を選択します。単精度に対しては s を付け
加えます[デフォルトは倍精度です]。


用例

       pts.d の点のいずれかから300km以内にあって lines.d の線から
100kmよりも離れているサブセットをデータセットから抽出します。

gmtselect lonlatfile -Jd1d -C300/pts.d -L100/lines.d -Il >
subset

ここで、地理的データを与えていることがわかるようにマップ投
影を指定しなければなりません(さもないと300はkmでなくx-yの単
位のカルテジアン座標の距離だと解釈されてしまいます)。 data.d
 の点のうち、高解像度の海岸線で定義される陸地以外のすべての
点を保持するには、次のようにします。

gmtselect data.d -R120/121/22/24 -Dh -Ns/k > subset


関連事項

       gmtdefaults(l), gmt(l), grdlandmask(l), pscoast(l)



1 May 2003 GMTSELECT(l)

Man(1) output converted with man2html