名前

       fitcircle - 球面上の点に対して最も良く合う大円[または小円]
の平均位置と極を見つけます


概要

       fitcircle [ xyfile ] -Lnorm [ -H[nrec] ] [ -S ] [ -V  ]  [
-: ] [ -bi[s][n] ]


記述

       fitcircle は経度、緯度[または緯度、経度]の値を標準入力[ま
たは xyfile ]の最初の2列から読みます。これらは単位球のカル
テジアンの3次元ベクトルに変換されます。それから2つの位置を
 見つけます: 入力位置の平均と、入力位置に最も良く合う大円の
極です。ユーザはこの問題に対して2通りの解法のうちの1つまた
は両方を選ぶことができます。1番目は -L1 と呼ばれ2番目は -L2
 と呼ばれます。データが大円に沿って近く集合しているときは両
者の解は同じになります。データが大きく離散しているときは、
大円の極は平均ほど良く決まりません。定性的なチェックとして
両方の解を比較してください。
-L1 の解は角距離のコサインの絶対値の和を近似的に最小にする
のでそう呼ばれます。この解は、平均位置をデータのフィッシャ
ー平均、極の位置を平均とデータの外積のフィッシャー平均とし
て求めます。外積を平均することにより、平均からの距離に比例
して重みが与えられます。これは平面内の線型回帰における遠い
点による"てこの力"に類似しています。
-L2 の解は角距離のコサインの平方の和を近似的に最小にするの
でそう呼ばれます。これはデータベクトルの成分の平方の和の3×
3行列を作ります。この行列の固有ベクトルが平均と極の位置を与
えます。この方法は数千のデータがあるときにはより丸め誤差の影
響を受けやすくなることがあります。極は最小固有値に対応する固
有ベクトルで与えられます; それはデータの中で最も表しにくいフ
ァクターであり、どちらの方法でも容易には推定できません。

-L norm を 1 または 2 で指定するか、両方の解を -L または
 -L3 として求めます。


オプション

       xyfile 経度、緯度[緯度、経度]の値を最初の2列に含む ASCII [ま
たはバイナリ、 -b 参照]ファイル。ファイルが指定されな
いときは、 fitcircle は標準入力から読みます。

-H 入力ファイルにヘッダレコードがあります。ヘッダレコ
ードの数は .gmtdefaults ファイルを編集することによ
り変更できます。このオプションが使われた場合、 GMT
のデフォルトではヘッダレコードは1行です。

-S 大円ではなく小円に当てはめるようにします。極は最も良
く合う大円の極とデータの平均位置を結ぶ大円上になるよ
うに制約されます。

-V 冗長モードを選択します。標準エラー出力に経過報告を
送ります[デフォルトでは"静かに"走ります]。

-: 入出力の(経度,緯度)と(緯度,経度)を入れ替えます。[デ
フォルトは(経度,緯度)です]。地理座標のみに適用されま
す。

-bi バイナリ入力を選択します。単精度に対しては s を付け
加えます[デフォルトは倍精度です]。バイナリファイルの
列数に応じて n を付け加えてください[デフォルトは2列
です]。


用例

       ファイル ship.xyg に蛇行した航跡に沿った経度、緯度、重力の
データが入っているとします。このデータを大円上に投影し、フ
ィルタをかけたりスペクトルを調べたりするために等間隔にサン
プルし直します:

fitcircle ship.xyg -L2

project ship.xyg -Cox/oy -Tpx/py -S -pz | sample1d -S-100
-I1 > output.pg

ここで、 ox/oyfitcircle で求めた経度/緯度の平均で、 px/py
 は極の経度/緯度です。ファイル output.pg には距離、 ship.xyg
 に最も良く合う大円に沿った1km間隔の重力データが入っています。


関連事項

       gmt(l), project(l), sample1d(l)



1 May 2003 FITCIRCLE(l)

Man(1) output converted with man2html