名前
pscoast - 陸域、水域、海岸線、行政境界、河川を描きます
概要
pscoast -Jparameters -Rwest/east/south/north[r] [
-Amin_area[min_level [ -Eazimuth/elevation ] [ -Gfill ] [
-Iriver[/pen] ] [ -K ] [
-L[f][x]lon0/lat0/slat/length[m|n|k] ] [ -M[flag] ] [
-Nborder[/pen] ] [ -O ] [ -P ] [ -Q ] [ -Sfill ] [
-U[/dx/dy/][label] ] [ -V ] [ -Wpen ] [ -Xx-shift ] [ -Yy-
shift ] [ -ccopies ] [ -bo[s][n] ]
記述
pscoast はグレースケール、カラーまたは模様付きの陸域[また
は水域]をマップ上に描いたり、[オプションで]海岸線、河川、
および行政上の境界を引いたりします。あるいは、(1)すべての陸
域または水域を含むようなクリップパスを作ったり、(2)データを
アスキーテーブルに落としたりすることもできます。データファ
イルには5つの異なる解像度のものがあります: (f)ull, (h)igh,
(i)ntermediate, (l)ow, (c)rude の5種類です。fullの解像度の
ファイルは55Mb以上の大きさで非常に詳細です; 広い範囲を対象
とする地図を描くときはこれ以外の解像度のものを使ったほうが
経済的です。陸域だけを描いて水域について何も指定しなければ
水域は透明になります(すなわち、前にその領域に描かれた図は上
書きされません)。同様に、水域が描かれていて陸域について何も
指定が無いときは陸域が透明になります。 PostScript コードが
標準出力に書き出されます。
オプションフラッグとそれに付属する記述の間にスペースを入
れてはいけません。オプションフラッグには大文字を使い、その
付属コードには小文字を使います。
-J マップの投影法を選択します。スケールは UNIT/degree 、
1:xxxxx 、または UNIT 単位の幅 (オプションを大文字に
する) で指定します。 UNIT は .gmtdefaults で設定した
MEASURE_UNIT に依存して cm 、 inch 、または m になり
ますが、 c 、 i 、または m を scale/width の値に付け
加えることによりコマンドラインで変更することができます。
円筒図法:
-Jclon0/lat0/scale (カッシーニ)
-Jjlon0/scale (ミラー)
-Jmscale (メルカトル - 投影中心はグリニッジ子午線と赤道)
-Jmlon0/lat0/scale (メルカトル - 投影中心は自分で設定)
-Joalon0/lat0/azimuth/scale (斜めメルカトル -
投影中心と角度を設定)
-Joblon0/lat0/lon1/lat1/scale (斜めメルカトル -
2点を設定)
-Joclon0/lat0/lonp/latp/scale (斜めメルカトル -
中心点と極を設定)
-Jqlon0/scale (等距円筒図法(Plate Carree))
-Jtlon0/scale (TM - 横メルカトル、赤道を y = 0 とする)
-Jtlon0/lat0/scale (TM - 横メルカトル、
原点は自分で設定)
-Juzone/scale (UTM - ユニバーサル横メルカトル)
-Jylon0/lats/scale (基本円筒図法)
方位図法:
-Jalon0/lat0/scale (ランベルト正積方位)
-Jelon0/lat0/scale (正距方位)
-Jflon0/lat0/horizon/scale (心射)
-Jglon0/lat0/scale (正射)
-Jslon0/lat0/[slat/]scale (一般平射)
円錐図法:
-Jblon0/lat0/lat1/lat2/scale (アルベルス正積円錐)
-Jdlon0/lat0/lat1/lat2/scale (正距円錐)
-Jllon0/lat0/lat1/lat2/scale (ランベルト正角円錐)
様々な図法:
-Jhlon0/scale (ハンメル)
-Jilon0/scale (正弦曲線=サンソン)
-Jk[f|s]lon0/scale (エッケルト IV (f) および VI (s))
-Jnlon0/scale (ロビンソン)
-Jrlon0/scale (ヴィンケル第3式)
-Jvlon0/scale (ファン・デア・グリンテン)
-Jwlon0/scale (モルワイデ)
非地理的図法:
-Jp[a]scale[/origin] (極 (theta,r) 座標、
随意で a を付け方向、オフセットの角度を設定 [0])
-Jxx-scale[l|ppow][/y-scale[l|ppow]] (線形、対数、
指数スケーリング)
詳細は psbasemap のマニュアルページにあります。
-R west, east, south, north は興味のある領域を特定し
ます。度と分[と秒]で境界を特定するには、dd:mm[:ss]
のフォーマットを使ってください。wesnの代わりに左下
と右上のマップ座標を使うときは r を付け加えてくださ
い。
オプション
-A min_area (km^2) より狭い面積の部分や、階層的に
min_level より低いレベルまたは max_level より高いレベ
ルの部分は描かれません[デフォルトは 0/0/4 (すべて描か
れます)]。詳細は下のデータベース情報を参照してください。
-B マップの縁のティックマークを設定します。詳細は
psbasemap を参照してください。
-C 湖のグレースケール(0-255)、カラー(r/g/b)またはパター
ン(p|Pdpi/pattern; -G参照)を設定します[デフォルトで
は"ウェットな"領域に指定されたものと同じになります
(-S)]。
-D 用いるデータセットの解像度を選択します((f)ull、(h)igh、
(i)ntermediate、(l)ow、(c)rude)。データセットの間で
解像度は80%下がります[デフォルトは l です]。
-E 遠近図法用に、視点の方位角と高度を設定します
[180/90]。
-G "ドライな"領域の塗りつぶしまたはクリッピングを選択し
ます。グレースケール、カラー、パターンの記号またはク
リッピング用のcを付け加えてください。グレースケール
(0-255)、カラー(r/g/b)、またはパターン-Gpdpi/pattern
を指定します。ここで pattern にはあらかじめ登録され
ているパターン(1-90)または Sun の1、8、24ビットのラ
スターファイルを指定します。 dpi には画像の解像度を
設定します。1ビットのラスターの場合: -GP で反転画像
にすることができます。また、 :Frgb[B[rgb]] を付け加
えると前景色や背景色を指定できます(透明にするには
rgb = - としてください)。個別のパターンについての情
報は GMT Cookbook & Technical Reference Appendix E
を参照してください。
-I 河川を描きます。河川のタイプと[オプションとして]ペン
属性を指定してください[デフォルト pen: width = 1,
color = 0/0/0, texture = solid]。以下の河川のタイプ
のリストから選んでください。必要なだけオプション -I
を繰り返してください。
1 = 恒久的大河川
2 = その他大河川
3 = その他中河川
4 = 小河川
5 = 間欠的大河川
6 = 間欠的中河川
7 = 間欠的小河川
8 = 大運河
9 = 小運河
10 = かんがい用運河
a = すべての河川と運河 (1-10)
r = すべての恒久的河川 (1-4)
i = すべての間欠的河川 (5-7)
c = すべての運河 (8-10)
-K さらに PostScript コードが後に続きます[デフォルトで
はプロットシステムを終了します]。
-L lon0/lat0 を中心とする位置に簡単なマップスケールを描
きます。変わりに -Lx を使うと x/y の位置で設定できま
す。スケールは緯度 slat で計算され、length は km 単
位です[ m を付けるとマイルに、 n を付けると海里にな
ります]。"ファンシー"スケールを描くには -Lf を使いま
す[デフォルトでは簡素なスケール]。
-M 1つのマルチセグメントのアスキー(またはバイナリ、-bo
参照)ファイルを標準出力に落とします。描画は行われませ
ん。 -W, -I, -N の組合せを指定します。オプションとし
て、各セグメントのヘッダの最初に flag という文字列を
入れることができます['>']。
-N 行政上の境界を描きます。境界のタイプと[オプションと
して]ペン属性を指定します[デフォルト pen: width = 1,
color = 0/0/0, texture = solid]。以下の境界のリスト
から選んでください。必要なだけオプション -N を繰り返
してください。
1 = 国境
2 = 米国の州の境界
3 = 海上国境
a = すべての境界 (1-3)
-O 上書きプロットモードを選択します[デフォルトでは新
しいプロットシステムに初期化します]。
-P ポートレート描画モードを選択します[GMTのデフォルト
はランドスケープです。これを変更するには
gmtdefaults を参照してください]。
-Q 存在するクリップパスを終了させます。投影情報は不要
です。
-S "ウェットな"領域の塗りつぶしまたはクリッピングを選択
します。グレースケール(0-255)、カラー(r/g/b)、パター
ン(-G参照)またはクリッピング用のcを付け加えてください。
-U 図に Unix システムのタイムスタンプを入れます。図の
左下隅に対するスタンプの左下隅の位置を決めることが
できます。随意でラベル、または c (コマンド文字列を
プロットします。)を付け加えることができます。 GMT
のパラメータ UNIX_TIME と UNIX_TIME_POS は外見に影
響を及ぼします; 詳細は gmtdefaults のマニュアルペ
ージを参照してください。
-V 冗長モードを選択します。標準エラー出力に経過報告を
送ります[デフォルトでは"静かに"走ります]。
-W 海岸線を描きます[デフォルトでは描かれません]。ペン
属性を付け加えてください[デフォルト: width = 1,
color = 0/0/0, texture = solid]。
-X -Y 図の原点を (x-shift,y-shift) だけ動かします。値の
前に a を付けると絶対座標を表します; デフォルト
(r) で図の原点が元に戻ります。
-c 図のコピー枚数を指定します。[デフォルトは1]
-bo バイナリ出力を選択します。単精度に対しては s を付け
加えます[デフォルトは倍精度です]。
用例
青の背景の上に白い輪郭をもつ緑色のアフリカを描きます。恒久的
大河川を太い青線で、その他大河川を細い青線で、国境を破線で、
0.1 inch/degree のメルカトル図に描きます。
pscoast -R-30/30/-40/40 -Jm0.1i -B5 -I1/1p/0/0/255
-I2/0.25p/0/0/255 -N1/0.25tap -W0.25p/255/255/255
-G0/255/0 -S0/0/255 -P > africa.ps
アイスランドを100dpiの溶岩のパターン(# 28)で 1 cm/degree の
メルカトル図に描きます。
pscoast -R-30/-10/60/65 -Jm1c -B5 -Gp100/28 > iceland.ps
後に続くグリッド地形のカラー図が陸地の上でのみ見えるように、
アフリカに対するクリップパスを開始します。 0.1 inch/degree
のメルカトル図を用います。
pscoast -R-30/30/-40/40 -Jm0.1i -B5 -Gc -P -K > africa.ps
grdimage -Jm0.1i etopo5.grd -Ccolors.cpt -O -K >>
africa.ps
pscoast -Q -O >> africa.ps
データベース情報
海岸線のデータベースは2つのソースから合成されています: World
Vector Shorelines (WVS) および CIA World Data Bank II (WDBII)
です。特に、すべてのレベル1の多角形(海洋と大陸の境界)がより
正確な WVS に由来するのに対し、すべてのより高いレベルの多角
形(レベル2-4、すなわち、陸と湖、湖と湖中の島、湖中の島と湖
中の島の湖の境界)は WDBII から採用されています。 WVS および
WDBII のデータを GMT で利用可能な形式に変換するために多くの
処理が施されました: 線の断片を合わせて閉じた多角形にしたり、
重複をチェックしたり、多角形同士の重なりを修正したりしまし
た。各多角形の面積はユーザが最小面積よりも細かい部分の描画
を選択しないように決定されました(-A参照); 含まれるべき多角
形の階層レベルの最大値を制限したいユーザもいるでしょう(4が
最大です)。4つのより低解像度のデータベースは Douglas-Peucker
の line-simplification アルゴリズムを用いて最高解像度のデー
タベースから作成されました。河川と境界の分類は WDBII のもの
に従いました。詳細は GMT Cookbook and Technical Reference
Appendix K を参照してください。
pscoast は最初にディレクトリ $GMTHOME/share (ここで $GMTHOME
は環境変数です)の海岸線ファイルを探しに行きます。要求された
ファイルが見つからないときは、同じディレクトリのファイル
coastline.conf を探しに行きます。このファイルは代わりのディ
レクトリのフルパス名をいくつでも含むことができます。コメン
ト行(#)や空行を入れることも可能です。このとき要求されたファ
イルは代わりのディレクトリで探されます。
バグ
塗りつぶしのためのオプション(-C -G -S)は正距方位図法(-Je|E)
を選択したときはうまく機能しないことがあります。選択した極
の反対側の極が海の中にあるときはうまく機能するでしょう。そ
うでないときは、投影中心の座標が海岸線の単位サイズ(f, h, i,
l, cに対してそれぞれ1, 2, 5, 10, 20度)の偶数倍にならないよ
うにしてください。この図法はクリッピング用にはサポートされ
ていません。
行政上の境界は大部分が1970年代のもので最近のヨーロッパの国
境の変更は反映されていません。我々は高解像度のデータが利用
可能になったらこれを更新したいと考えています。
pscoast のユーザには南極の海岸線に不満を持つ方もいるでしょ
う。南極では、氷床と海洋の境界は季節的にも永年的にも変化し
ています。恒久的な海氷の領域もあります。このような時間変化
する氷と海の境界に加え、海に浮かぶ氷が陸上に乗り上げる線、
岩盤の露出する領域を区切る線もあります。齟齬を起こさないた
めに、GMT cookbook Appendix K にあるように、我々は pscoast
においては世界中で World Vector Shoreline を使いました。
南極の特別の境界が必要なユーザは Scientific Committee on
Antarctic Research の保護下にある British Antarctic Survey,
Scott Polar Research Institute, World Conservation Monitoring
Centre が提供する Antarctic Digital Database を手に入れる
と良いでしょう。このデータベースは南極の様々な種類の境界線
を含んでおり CD-ROM で利用できます。これは Scientific
Committee on Antarctic Research, Scott Polar Research
Institute, Lensfield Road, Cambridge CB2 1ER, United
Kingdom から出版されています。
関連事項
gmtdefaults(l), gmt(l), grdlandmask(l), psbasemap(l)
1 May 2003 PSCOAST(l)
Man(1) output converted with
man2html