名前
grdfft - 周波数ドメインにおいてグリッドファイルに数学的操作
を実行します
概要
grdfft in_grdfile -Gout_grdfile [ -Aazimuth ] [ -Czlevel ]
[ -D[scale|g] ] [ -E[x|y][w] ] [ -F[x|y]lc/lp/hp/hc ] [
-I[scale|g] ] [ -L ] [ -M ] [ -Nstuff ] [ -Sscale ] [
-Tte/rl/rm/rw/ri ] [ -V ]
記述
grdfft は 2-D フォワード高速フーリエ変換により周波数ドメイ
ンにおいて1つ以上の数学的操作を実行してから空間ドメインに逆
変換します。オプションとしてデータをスケールしてから出力フ
ァイルに新しい値を書くことができます。グリッドファイルの平
面上の単位はメートルと仮定されます。 -M オプションを指定し
て度をメートルに変換することにより地理的グリッドを使うこと
ができます。 km を単位とするグリッドファイルを持っていると
きは、 grdedit を用いてこれをメートルに変換するか grdmath
で出力をスケールすると良いでしょう。
オプションフラッグと関連する引数の間に空白は入りません。
オプションフラッグには大文字を使い、その付属コードには小文
字を使います。
in_grdfile
操作を受ける 2-D バイナリグリッドファイル。
-G 出力グリッドファイルの名前を指定します。
オプション
-A 北から時計回りに azimuth 度の方向の方向微分を計算し
ます。
-C 場を zlevel メートルだけ上方( zlevel > 0 )または下方
( zlevel < 0 )接続します。
-D 場を微分します。すなわち、 d(場)/dz を計算します。
これは周波数ドメインで kr を掛けることと等価です( kr
は半径波数)。スケールを付けると代わりに (kr * scale)
を掛けます。あるいは、 g を付けるとデータがジオイド
の高さ(m)であることを表し、出力は重力異常(mGal)にな
ります[デフォルトではスケール無し]。
-E 半径方向のパワースペクトルを推定します。 -E のすぐ
後に x または y を置くと代わりに x または y 方向のス
ペクトルを計算します。グリッドファイルは作られません;
f (周波数または波数), power[f], および power[f] の1
標準偏差が標準偏差に書かれます。 w を付けると周波数
の代わりに波数を書きます。
-F データをフィルタします。 -F のすぐ後に x または y
を置くと x または y 方向のみフィルタします; デフォル
トでは等方的になります。4つの波長を正しい単位で指定
して( -M 参照)バンドパスフィルタを設計します; lc よ
り長いか hc より短い波長はカットされ、 lp より長いか
hp より短い波長は透過し、その間の波長はコサインテイ
パー型にフィルタされます。例えば、
-F1000000/250000/50000/10000 -M は 1000 km より長い
波長と 10 km より短い波長をカットし、 250 km と 50 km
の間の波長を透過させるバンドパスフィルタです。ハイパ
スまたはローパスフィルタを作るには、ハイフン(-)を
hp/hc または lc/lp に与えます。例えば、 -Fx-/-/50/10
は X について 50 より長い波長を透過させ 10 より短い
波長を遮断するローパスフィルタです。 -Fy1000/250/-/-
は Y について 250 より短い波長を透過させ 1000 より長
い波長を遮断するハイパスフィルタです。
-I 場を積分します。すなわち、∫^z(場 * dz) を計算します。
これは周波数ドメインで kr で割ることと等価です( kr
は半径波数)。スケールを付けると代わりに (kr * scale)
で割ります。あるいは、 g を付けるとデータが重力異常
(mGal)であることを表し、出力はジオイドの高さ(m)にな
ります[デフォルトではスケール無し]。
-L トレンドをそのままにしておきます。デフォルトでは、
リニアトレンドは変換前に取り除かれます。
-M マップ単位。グリッドファイルが地理的グリッドであり度
をメートルに変換したいときにこのオプションを選びます。
データが極に近いときは、グリッドファイルを grdproject
を用いて長方形の座標系に投影することを考えたほうが良
いでしょう。
-N FFT に適したグリッドの大きさを選ぶか問い合わせます。
-Nf は FFT においてデータの大きさをそのまま使うよう
に強制します。 -Nq はより適した大きさを問い合わせま
す。 -Nnx/ny は配列の大きさ nx/ny で FFT を実行しま
す(グリッドファイルサイズより大きくなければなりませ
ん)。デフォルトでは FFT の速さと精度を最適にするよう
なデータを超える大きさを選びます。 FFT の大きさがグ
リッドファイルより大きいときは、データは延長されてゼ
ロにテイパーされます。
-S (周波数ドメインでの処理の後で)空間ドメインにおいて
各要素に scale を掛けます[デフォルトは 1.0 ]。
-T 厚さ te の弾性プレート上のアイソスタシー補償を地形
荷重(入力グリッドファイル)から計算します。荷重、マ
ントル、海水、堆積物の密度も SI 単位系で与えます。
te == 0 ならばエアリー応答が返されます。 -T は暗黙
に -L を設定します。
-V 冗長モードを選択します。標準エラー出力に経過報告を
送ります[デフォルトでは"静かに"走ります]。
用例
ファイル mag_0.grd の海上地磁気異常を海抜 800 m へ上方接続
します。
grdfft mag_0.grd -C800 -V -Gmag_800.grd
地理的グリッド上の単位 m のジオイドの高さ (geoid.grd) を単
位 mGal のフリーエア重力異常に変換します。
grdfft geoid.grd -Dg -M -V -Ggrav.grd
単位 mGal の重力異常 (faa.grd) を方位 038 における鉛直方向
からの振れ(マイクロラジアン)に変換するには、まず重力を積分
してジオイドにし、次に方向微分をとり、最後にラジアンをマイ
クロラジアンにスケールします:
grdfft faa.grd -Ig -A38 -S1e6 -V -Gdefl_38.grd
重力異常の鉛直方向の2階微分は場の曲率に関係があります。微分
を2回行うことによりこれを単位 mGal/m^2 で計算することができ
ます:
grdfft gravity.grd -D -D -V -Ggrav_2nd_derivative.grd
観測水準から 4 km 下の厚さ 20 km の弾性プレート上の地形荷重
topo.grd (単位 m )に起因する補償面による1次オーダーの重力異
常(単位 mGal )を計算します。
grdfft topo.grd -T20000/2800/3330/1030/2300 -C4000 -S0.022
-Gcomp_faa.grd
ここで 0.022 は地形から重力を計算するときの Parker の展開の
第1項に必要なスケールです( = 2 * PI * G * (rhom - rhol) )。
関連事項
gmt(l), grdedit(l), grdmath(l), grdproject(l)
1 May 2003 GRDFFT(l)
Man(1) output converted with
man2html