名前
grdhisteq - グリッドファイルに対するヒストグラム等化
概要
grdhisteq in_grdfile [ -Gout_grdfile ] [ -Cn_cells ] [ -D
] [ -N[norm] ] [ -Q ] [ -V ]
記述
grdhisteq はユーザが与えられたグリッドファイルを等しい面積
に区分けするところのデータ値を見つけやすくします。 grdhisteq
の1つの一般的な用法は、一種の画像のヒストグラム等化です。こ
の応用において、ユーザは中央に山を持つ平らな地形のグリッド
ファイルを持っていたとします。このファイルに地形からの線形
なマッピングによって( grdimage/grdview を用いて)普通のモ
ノクロの陰影を着けると、画像の大部分が非常に暗くなり、山は
ほぼ真っ白になってしまいます。 grdhisteq を使えばデータの
範囲を、それぞれが等しい面積を持つ n_cells 個のセグメントに
分ける値の ASCII リストを標準出力に書くことができます。 awk
または makecpt を用いて、この出力から cpt ファイルを作るこ
とができます; この cpt ファイルと grdimage を用いてグレー
スケールのすべての段階が等しく現れるような画像を作ることが
できます。これに代わる方法は grd2cpt を参照してください。
grdhisteq の第2の一般的な用法はグリッドファイルからある
種の累積分布関数に基づく統計値を出力することです。この応用
において、出力には入力ファイルと同じ (x,y) の位置に相対的な
高部と低部ができますが、値はある累積分布における位置を反映
して変化します。1つの例はデータの最小の 10% の部分を見つけ
ることです: あるグリッドファイルに grdhisteq を実行し、
n_cells = 10 を用いてグリッドファイルを作り、その結果に 1
のコンターを引きます。これは元の値にかかわらず、データの最
小の 10% を囲みます。もう1つの例は grdgradient の出力を等
化することです。陰影を着ける目的にはデータがガウス分布のよ
うに滑らかな分布を持っていることが望ましいです。 grdgradient
の出力に grdhisteq を実行してガウス分布オプションによるグ
リッドファイル出力を作るとき、値がゼロ平均と単位分散のガウ
ス分布に従って分布するようなグリッドファイルを得るでしょう。
これらの値の位置は入力の位置に対応します; すなわち、最も負
の出力の値は最も負の入力の値の (x,y) の位置になるといった具
合です。
オプションフラッグと関連する引数の間に空白は入りません。
オプションフラッグには大文字を使い、その付属コードには小文
字を使います。
in_grdfile
等化する 2-D バイナリグリッドファイル。
オプション
-C 作成するデータ範囲のセル(区域)の数を設定します。
-D レベル情報を標準出力に落とします。
-G 出力 2-D グリッドファイルの名前。 -N のみに用いられ
ます。
-N ガウス出力。 -G とともに用いると標準正規スコアの出力
グリッドファイルを作ります。 norm を付けるとスコアは
<-1,+1> の範囲になります[デフォルトは標準正規スコア]。
-Q 2次の強度スケーリングを使います[デフォルトは1次]。
-V 冗長モードを選択します。標準エラー出力に経過報告を
送ります[デフォルトでは"静かに"走ります]。
用例
ファイル heights.grd を面積の等しい 16 区域に分割する高さの
間隔を見つけます。
grdhisteq heights.grd -C16 -D > levels.d
ファイル raw_intens.grd のうまく分布していない強度を grdimage
や grdview での利用に適した分布にします。
grdhisteq raw_intens.grd -Gsmooth_intens.grd -N -V
制限
grdhisteq を grdimage や grdview で勾配に陰影を着けるた
めのガウス出力を作るのに使うとき、以下のことに留意したほう
が良いでしょう: 出力は [-x, x] の範囲になり、ここで x は入
力グリッドファイルのデータの数 (nx * ny) と累積ガウス分布
F(x) に基づいています。すなわち、 N = nx * ny とすると、 x
は F(x) = (N - 1 + 0.5)/N となるように調整されます。標準正
規分布のおよそ 68% の値は +/-1 に来るので、これは出力グリッ
ドファイルに適合します。しかし N が非常に大きいときは、 x
を 4 より大きくすることができます。それゆえに、 grdimage
プログラムを用いて勾配を [-1, 1] の範囲にクリップすると、
データの 68% では正しい陰影を得るのに対し、 16% では -1 に、
16% では +1 にクリップされます。これにより画像が明るくなり
過ぎたり暗くなり過ぎたりするときは、 grdhisteq の出力に対
して grdmath を用いてスケールし直し、 1.0 より小さな数を掛
けて値の範囲を縮め、画像の 68% 以上が [-1, 1] の範囲に入る
ようにすると良いでしょう。その代わりに、 -N に規格化因子を
与えるという方法もあります。
関連事項
gmtdefaults(l), gmt(l), grd2cpt(l), grdgradient(l), grdimage
(l), grdmath(l), grdview(l), makecpt(l)
1 May 2003 GRDHISTEQ(l)
Man(1) output converted with
man2html